ちっぽけな縁起かついで 右足から家を出る
電車はいつもの街へ 疲れた身体を運ぶ
やわらかなイントロとともに日常に近いところから始まる歌詞。
ついつい口ずさみたくなるMr.Childrenの「ラララ」という曲は、DISCOVERYというアルバムに収録されている。日常を感じつつ世の中を俯瞰しつつ、アルバムのタイトル通り「発見、見つけること」につながりつつ、それでいて優しい雰囲気を持っている楽曲。
聞いたことがない方は、ぜひ一度じっくりと聴いてほしい。歌詞を追いかけながら。
曲の最初から、何かを探している、そんな歌詞になっている。
簡単そうに見えてややこしく
困難そうに見えてたやすい
そんなLa La La そんなLa La La
探してる 探してる
参考書よりも正しく
マンガ本よりも楽しい
そんなLa La La そんなLa La La
「そんなLa La La」をひきたてる言葉の選び方もすごいなと思うし、そして1999年の曲とは思えない、今の時代にこそより深みを増す歌詞もすごい。
ニュースは連日のように崖っぷちの時代を写す
悲しみ 怒り 憎しみ 無造作に切り替えて行く明日を生きる子供に 何をあたえりゃいい?
僕にできるだろうか?太陽系より果てしなく
コンビニより身近な
そんなLa La La そんなLa La La
探してる 探してる
スケールが大きいながら、身近に感じられる。
それでいて答えがなくて、聴く側も考えさせられる。
そして曲の終わりの歌詞において、一定の気づきに辿り着いているように思える。
無くてはならぬものなど
あんまり見当たらないけど
愛する人も同じように
今日も元気で暮らしてる一人じゃない喜び
なにはなくとも それで良しとしようか
僕は、ここの歌詞が一番心に響く。
結婚し、子供ができてからこの歌詞がますます心に染みるようになってきた。
モノがあふれすぎている日本。その反動からかミニマリストという考え方も知られるようになってきた。
シンプルライフ、Less is More.いろんな言葉はあるけれど。
減らして残すものはなんなの?
そんな問いかけに対する答えの一つになる気がする。
「無くてはならぬものなどあんまり見当たらないけど」という桜井さんの言葉は、何かを探す旅の最中に気づいたことなのかなと思う。
「一人じゃない喜び、なにはなくとも それでよしとしようか」。そんな感じでとらえると、今の生活も悪くないな、そう思える。
家族が元気ならそれ以上何を望むのか?
そんな風に思うと気持ちも軽くなる気がする。
仕事やら、日々の雑務やら、大変なことはたくさんあるけれど、まぁ一番大事なことってそこじゃないよね、と。
赤い夕日が燃えて沈んで
長い夜を超えて昇る
今日もLa La La 明日もLa La La
探してく 探してく
最後の歌詞を聴きながら、きれいな夕日を見たくなった。
この曲を頭に流しながら夕日を眺めたら泣いてしまいそうだな。
La La La… La La La… La La La…
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