SOMET(ソメ)というデニムブランドはあまりメジャーじゃないかもしれない。(SOMET website)
僕はSOMETのジーンズを愛用していて、細めのSlim Jeansとストレートタイプを所有している。ウェブサイトに記載されている通り、目指しているところが素晴らしくてぜひ今後も活躍を続けて欲しいブランド。
『日本発世界基準のデニムづくり』が目標。1999秋冬からMilanoのショールームにてブランド展開を開始。素材・縫製ともに世界に誇る日本製品の良さを発信することを大事に考え、長く愛されるモノづくりを目指しています。
SOMET – website
Slim Jeansは2007年に発売したモデルで、股から膝にかけてダーツを入れ細いシルエットを作り出しており、赤耳付き。
素材は昔から変更しておらず13.8oz Selvage Denim。こういった長い間同じものを作り続けてくれるブランドはとても好感が持てる。
生デニム(ノリがバリバリにきいている状態)から穿きこみ、徐々に色が落ちていって自分だけのオリジナルジーンズになる。それでいてシルエットが素晴らしい。
SOMETのスリムジーンズはどんな特徴があって、どのように色落ちしていくのか?
僕が穿き込んできたスリムジーンズを色落ちの歴史とともに紹介する。
SOMET SLIM JEANSの特徴
高いクオリティと美しいシルエット、そして自然でかっこいい色落ち。
これは写真で見てもらうのが一番早い。下の写真は僕が数年間穿き込んだもの(左)とノンウォッシュの新品(右)の比較である。同じデニムでも時間とともに大きく雰囲気が変わることがわかってもらえるだろう。
着用シルエット
股上浅め、細身のシルエットでキレイめの格好に合わせやすい。
テーラードジャケットとレザーシューズに合わせるのが好み。
シルエットがいいジーンズはついつい手が伸びてしまう。
ボタンフライ
SOMET Slim Jeansはボタンフライを採用している。ヴィンテージジーンズをはじめ昔からボタンフライが採用されていて、古き良き時代のデニムの特徴を取り込もうとしているブランドはボタンフライが多い。
今はジッパーフライの方が一般的だけど、ボタンフライジーンズも慣れてしまえば使いやすい。
セルビッジデニム
裏側を見ると、赤耳が使用されていること、股から膝にかけてダーツが入っていることが判る。
コインポケット
コインポケットをペロッとのぞいてみると赤耳が見える。こんなところにも拘りが表れている。
バックポケットと革パッチ
これは新品状態と穿き込んだ状態の比較画像。バックポケットにはステッチによるデザインがなくとてもシンプル。特に穿きこみ前(右)は何もないように見える。実は内側に補強が施されていて、穿き込んで行くと横線が現れてくる。
パッチは珍しく白い革が使用されている。穿き込んで洗濯を繰り返すことにより、少しずつくすんだ色になっていくようだ。
色落ちの経過
先にリジッドデニムと色落ちしたデニムの比較写真を載せたが、水色まで色落ちするのには時間がかかる。2008年頃から穿き始めて6年ほどの変化を見ていこう。
なお穿きこみ頻度は社会人なので週2回、洗濯頻度は汗かいて気になったら程度(秋〜春は極力洗濯を控える)という条件であった。
2008年時点
まだまだ生地はほどんど色落ちしていない状態。
2009年11月時点
1年くらい程度ではまだまだ色落ちは進まない。特に生地にストレスがかかるところに少し色落ちが見られる程度。
膝周りは色落ちし始めていることがわかる。
バックポケットも座った時にすれるところは色落ちしている。
2010年11月時点
2年程穿くと腿まわりも色落ちがわかるようになってきた。
膝裏もうっすらハチノス状の色落ちがでてきている。
裾にはダメージが若干見られるように。
2011年12月時点
だんだん雰囲気がでてきたころ。
2012年9月時点
色落ちが進んで着て、「カッコいい」面構えになった。ここまでくるとエースとして活躍してもらえる。
2014年1月時点
色も薄くなってきて、かっこよさに磨きがかかる。気に入ったのでもう一本同じものを買ったほどだ。
(だから比較写真があるのです。)
ボタンフライ周りの色落ち(上写真)、ベルトループの色落ち(上下写真)、隠しリベット周りの色落ち(下写真)etc.と細かいパーツを見ても雰囲気があるし、全体を見てもとてもバランスがいい。
下の写真は裾まわりのアップ。糸の黄色があせている。生地裏もノンウォッシュのものはベージュがかっているけど数年洗濯を繰り返したものは白い。色々なところが変化している。
おわりに
色落ちが気に入ったレベルまで進んで、あとは大事に穿いていこうという状態になることを「完成」という。
一度完成すると勝負ジーンズとして扱われ特別なジーンズとなる。
冒頭SOMETの目指すところをウェブサイトから引用させていただいたが、「長く愛用」させていただいております。
引き続き素晴らしいものづくりをよろしくお願いします。