ミニマリストいう言葉が流行りだしたのはいつ頃だろうか。
僕はある日たまたま本屋で見かけた、この本を読んでからミニマリストという生き方を意識して見たり探すようになった。
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。 – 断捨離からミニマリストへ –」佐々木典士
ミニマリストについての考え方について知りたければ、上記の本はよくまとまっていて大変参考になると思う。
ちなみに僕はミニマリストというカテゴリーに入るほどモノを減らしている人間ではない。しかしこの考え方に影響されている一人。
シンプルに生きるというスタイルには憧れがある。
Googleで検索するといろいろな考え方を持った人たちを見つけることができるので、一時期ひたすらネットサーフィンして関連記事を読みあさった。
レジェンドミニマリストなんて呼ばれている方もいたりして、すごく興味深い世界が展開されいた。
いろいろと調べて考えていることもあるので、自分なりに思っていることを書き出していこう。
ミニマリストの定義に関して
どうやらミニマリストに対する明確な定義はないようである。
- 持ち物を可能な限り減らし、必要最小限の物だけで暮らす人
- 自分にとって本当に必要な物だけを持つことで、本当に大切なことに集中できて豊かに生きられるという考え方
などが一般的に言われていることのように思われる。
モノを何個以下まで減らしたらミニマリスト、なんて定義をしたってそれすら曖昧で、
「先生、家は持ち物として一つに数えるんですか?部屋の数は?トイレは?シャワーは?エアコンは?」
なんて質問があってもおかしくないし、
「ブログはモノに数えるんですか?持っていると管理とかいろいろと気を使いますよね、目に見えないものはミニマリストしないんですか?」
なんて聞かれても僕は答えを返すことはできない。
一般的に議論されているミニマリストは、物質的なモノのミニマリズムが中心になっているように感じられるが、一方で物質的なモノ以外(例えばSNSに使う時間)に言及している記事なんかも見つかる。
ということで定義という定義はないようなので、「目的を持ってモノ(目に見えるもの・見えないもの両方)を意識的に減らしていく人たち」のことをミニマリストと呼ぶのだろうと僕は理解している。
佐々木典士さんの著書の中で記載があるが、最も少ないモノで生活している人選手権を実施したら、大昔に布切れ一枚まで減らした人が優勝だ、とのことだから、数で競ったってあまり意味はない。
赤ちゃんは生まれたときは布切れ一枚すら持っていないのだから、赤ちゃんが選手権に出たら優勝だ。
ミニマリストの目的について
これはもう人それぞれ目的があると思う。
Apple創始者スティーブ・ジョブズ氏、Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏、バラク・オバマ氏がいつも同じような服を着ていた話は有名だが、目的は洋服の種類を減らし毎朝考えること・決断することを減らすことだったそうだ。
人間選択肢が多いと、どうしても大小様々な決断を常にしていかなければならなくなる。これが徐々に無意識のうちに時間やエネルギーを奪っていく。
だから忙しすぎる人たちは、洋服の種類を減らした。
減らすことが目的ではない、他のやるべきことに集中するために減らした。この順番を間違ってはいけない。
モノが増えすぎて足の踏み場もなくなっていまうようなケースは極端だが、モノの数が少ない方が、必要な部屋の面積や収納の数も減るし、掃除や片付けの時間も短縮できる。
不要なモノを減らして効率化をするという目的で断捨離を始める人もいるだろう。それも間違っていない。
大事なのは、何を得たいのか、をまず明確にすることだろう。
単純に目に見えるモノを減らすことに特化したミニマリズムは、きっと一過性のブームとして終わるはず。でもモノにあふれた日本においてこの考え方がより注目されたのは、時代の変化を感じられるところでもある。
趣味に関するモノ
趣味のモノまで削ってしまうのはやりすぎだと思う。楽しみまで失ってしまったら生きてても楽しくない。
これは僕の経験だけど、モノを購入したからこそ人生がいい方に少し変わることもある。
僕の場合は、カメラだった。
どうしても何か違うことがしたくて、何かを探しながら街を歩いていた。
そのときに出会ったのがミラーレス一眼のカメラ。
手に入れてから意味もなくカメラを持って外にでかけてみたり、カメラから覗く景色はまた少し違っていて、新しい発見を得られることも多かった。
旅行もより楽しくなった。
ブログに旅行の写真をアップして紹介したりと、とにかく楽しみの幅が増えた。
今は携帯電話のカメラで十分綺麗な写真が撮れる。携帯電話のカメラと一眼レフの差は日に日に縮まっている。
でも2017年時点においては、やっぱりいいカメラで撮った写真の質は違う。
とにかくモノを減らそうという意識が頭にあったら、いいカメラを買うかどうか迷ったときにも脳内で制限が働いてしまっていただろう。
新しいモノを買うのは決して悪いことばかりではない。新しい経験ができるなら、いろいろ試してみることは人生にとってプラスに働くこともある。
大事なのは自分に合わなかったときに、すぐに友人に譲ったり中古で売ったりして適宜リリースしていくことかなと思う。いつか使うと思って、何年も使わずに置いておくのはマイナスの側面の方が多いから。
海外の田舎町で学んだこと
僕は海外の田舎町で2年半ほど生活したことがある。
出会った現地の皆さんは明るくて陽気な人が多かった。
なんでも安くそこそこ使えるものが手に入る百円ショップなんてないし、心踊るグッズが所狭しと陳列されている東急ハンズなんてもちろんない。
地下1階から5階まで家電を売っているビックカメラもヨドバシカメラもヤマダ電機もない。
最新ファッションのトレンドを押さえた洋服が並ぶ、おしゃれな通りがあるわけでもない。
でもその街の人たちは人生楽しんでいた。
そこそこに仕事して、美味しいビールを飲んで、休みはスポーツ・レジャーを楽しむ。
モノがなくったって人生の楽しみ方はたくさんある、
モノの数が幸せを決めるなんてことはない、ということを改めて実感した。
日本に一時帰国したときに感じたギャップはすごかった。
満員電車に揺られるみなさん、なんか”楽しそうじゃない感”。
同じようなスーツと鞄、革靴で毎朝同じ時間にオフィスに向かう人々。
みなさんなんか疲れている感じ。
日本はモノ・サービスが多すぎるのかな。日本にずっと住んでるとそれが当たり前になって気づかない。
気付いたら、あれが欲しい、これも欲しい、あそこに行ってみたいとなって、本当に大事なことを見失ってしまう。
一度自分にとって大事なモノ・体験はなにか、これをじっくり考えてみたい。
旅行に出かけて非日常の中で考えるのもいいし、歩きなれた街を散歩しながら思いにふけるのもよいだろう。
まとめ
僕なりにミニマリストについて考えていること、自身の経験から思うことを書き出してみた。
一人一人バックグラウンドが違うのは当たり前だし、考え方だって違うので反対意見もあるだろう。
重要なのは、今の流れ、本質を見極め続けようとする心持ちであって、その変化に対応しながら世の中、そして自分の人生をよりよくするべく前に進んでいくことだと思う。
ミニマリストという単語が流行ったのは、世間に新しい考え方を広める意味でも価値があったに違いない。
そこから先、各々がどう考え行動するか、それは僕らの選択次第。
シンプル・ミニマリスト関連のおすすめの本
「人生が豊かになる 禅、シンプル片づけ術」 枡野俊明
この本は禅の考えに基づきながら、片づけ、掃除、食事、モノに対する考え方をわかりやすく解説してくれている。
僕はこの本の考え方が自然で無理がなくてすごく気に入っている。何回も読み返している本のひとつ。
興味がある方はぜひ一度読んでみてもらいたい。