幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』を読了。
タイトルの意味はなんとなく読む前から理解できていた気がした。
僕は自分の子どもが撮る写真が好きで、水平が取れてなくともピントが合ってなくとも、その写真はすごくいいと思った経験があるから。
関連記事:子どもとのフォトウォーク。初回の記録。(2022.6.21)
本書を読んでみたらやはりそのようなことが書いてあるページもあった。他にもいろんな観点で写真が語られる。勉強になること、初めて聞いたことが多かった。
本書は、いい写真はなんだろうかと考えさせられる一冊。
写真は自分で考えるべし、というメッセージが幾度となく出てくる。
ある程度写真を撮ったことがある人におすすめしたい。
興味深かったことメモ
- 三分割構図を否定してて面白かった。
- 子どもと写真の項は、こういうテーマを読んだことがなかったので、考え方が参考になった。
- センサーサイズと最適な焦点距離の話。僕にはよく理解できなかったけど….そういう観点もあるのか、と。
- 単焦点レンズと被写体との距離感の話はふむふむと思った。ずっと1本の単焦点レンズで撮ってると、確かに意識しなくともその距離感を持つようになるというか。思った通りの写真が撮れるようになる。28mmから50mmとかに変えると違和感をすごい覚えるし。
- Lightroomの語源の推測は面白かった。なるほどー、そうやって考えるのかーと。フィルムは暗室だから、と。
- 「写真に大事なのは写真以外の知識と経験」
- 現像の章は特に勉強になった。粒子を加える、と。早速やってみたいと思った。
おわりに
写真についての視野を広げる上で、すごく参考になる一冊と思う。テクニカルな部分は他の本やウェブサイトで勉強しつつ、写真について考えるきっかけはこの本がいいのではと思う。
最後の「おわりに」もすごくいい。何を大切にすべきか、考えさせられるだろう。
ただ、細かいところでは「なぜそうなのか」の説明がないケースもあるので(本書「おわりに」でも触れられている)、初めてカメラをやる人には難しいのでは、という印象も持った。例えば、開放の絞りから1段絞ると良い、とあるのだけど、なぜかが書いてなかったりする。巷で言われていることを鵜呑みにしてはいけない、というのは本書で言われているので、自分なりになぜそうなのか、を考え調べながら読んでいくと発見があるのではないだろうか。
本書は文章の雰囲気は独特というか口語調で、好き嫌いはあるかもしれない。そこはパラパラめくって読むかどうか決めていただけると良いと思う。
通しで読んでみると、発見が多い一冊になるのではと思います。
その他写真について考えるきっかけになるオススメの本についての記事
- 『人を幸せにする写真』ハービー・山口さんの本を読んで。写真について考えるきっかけに。(2022.2.13)
- 『木村伊兵衛傑作選+エッセイ 僕とライカ』を読んで。写真について考えさせられる一冊。(2022.11.15)