2020年2月、ダイヤモンド・プリンセス号で発生したCOVID-19集団感染。
実際に起きたことをテーマして製作された映画が『フロントライン』。
あの頃、ニュースで騒がれていたことは覚えているし、徐々に自分の仕事や職場にも影響を与えていたことが思い出される。
しかしダイヤモンド・プリンセス号の船内及び船外でどのような出来事があったのかどれくらい知っているだろうか。この映画は、それを129分という限られた時間で伝えてくれる、重要な作品だと感じた。
物語の中心にいるのはDMAT 。感染症対策の専門家ではないが、人を助けるために仕事を受けるところから始まる。
そこに関わってくるのが本船、船員、乗客、家族、患者を受け入れる病院、厚労省、検疫、役人、メディア、マスコミ、SNS、ルール、しがらみ、etc.
書ききれないが、この映画を見れば、関わった人たちがこれだけでないことは容易に想像がつく。
演出の都合で色々と気になるところはあるけれど、関係者へのヒアリングをベースに作られたこの映画は、あの頃の緊迫感を時間の限り伝えてくれる。
国内に感染が広がれば、一気に影響が広がり多くの人が亡くなるかもしれない。目の前の人が船をどうしても降りたい理由があったとして。さてどうする。
全てを救うことができない場合、何を選ぶのが正しいのか。哲学的な問題。
批判は簡単。判断は難しい。
でも限られた時間で判断しなければならない。理由が必要なこともある。ブレない哲学が必要なこともある。
この映画から、自分の知らないところで奮闘している人がたくさんいることを再実感した。マスコミは悪役として描かれている部分もあり、そもそもの役割ってなんなんでしたっけ、というテーマを投げかけていたと思う(医療チームが「何のために」に何度も立ち返っていたのも記憶に残る)。

以前横浜に住んでいたのもあり、2024年にさんふらわあ号に乗ったのもあり、よりイメージがつく舞台だったのもあって、非常に引き込まれる映画だった。

色々な視点があると思うし、シンプルにエンターテイメントとしても面白いと思うので、見ようか悩んでいる人にはおすすめしたい映画。
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