数年前までは、会社用携帯電話はなくて、職場では固定電話が主流だった。電話がかかってきて、担当者がいなければ内容を伺いつつ「ただいま席を外しております、折り返しお電話差し上げるよう伝えておきます。」と回答することも多かった。
その日不在なら、出社してる人が代わりに対応するのが通常だった。
土日祝日や夜間に何かあれば、個人の携帯電話にかかってきていた。
僕の職場ではいつからか会社の携帯電話を持たされるようになった。これは僕だけの話じゃなくて、社内みんな。世の中どうなんだろう。iPhoneが出てきてからこういう傾向にあるのだろうか。プラントを管理すると固定電話は必須で、何かあったら必ず繋がる電話がないといけない。トラブルがあったときに繋がる電話は重要。とはいえ携帯電話は仕事をする上で便利。社員に携帯電話が配布され、固定電話の数は減った。
便利である一方、夜も休日も含め常に会社の携帯電話を持たなければいけなくなった。仕事の都合上、トラブル対応のためいつでも電話をとれるようにしておく必要がある。ただ、外線も内線もかかってきてしまうので、有給休暇中も容赦なくかかってくる。トラブルかもしれないので取らないわけにいかず、どうしても休み切ることが難しい。
とはいえ休日、会社の携帯電話とは距離を置きたいし、必要なときだけ開くようにしたい。
子供をお風呂に入れてて気づかないこともあるし、家事をしてて気づかないこともある。土日に着信に気づかず、折電しなかったがゆえにまずいことも経験した。
なので、いつからか、お風呂から出たらまず会社の携帯電話に着信がないことを確認するようになった。定期的にボタンを押して通知がないか確認する癖がつくようになった。結局距離を置けないのだ。なんなら自分のプライベート用携帯電話よりもチェックする頻度が多いかもしれない。
朝起きても、会社の携帯電話をチェックする。
外出するときも、寝るときも、常に会社の携帯電話は手の届くところにおく。
こうなるとよくなくて、常に土日も常に仕事がそこにある、状態。
トラブルの数には不思議と波があって、ない時はないが、ひどいときは頻繁に連絡がくる。休みが全てぶっ飛んだことも多々ある。
そんな仕事したくねーって人も多いだろう。就職活動のときによく話を聞くと良い。ただ、プラントの仕事でも設計とメンテではずいぶん違う。両方の職種があるなら配属先によるだろう。
ただ、これが世のため人のための仕事だとして。誰かがやるしかない。
誰だって会社の携帯電話を常に自分の周りに置いておくのは嫌なはず。そんな仕事はしたくない、という人も多いだろう。でもそういう仕事をしている人がいるから便利な世の中がある、という点も否定はできない。そこは、あらためて言っておきたいかなと。
で、日本の会社のよくないところは、中央一括採用で、こういうストレスある仕事だろうとそうじゃなかろうと同じ給与体系だったりすること。昔は我慢してる人も多かったけど、今は実力をつけてあと英語さえ話せれば海外や外資系への転職もしやすいだろうし、やめちゃう人も多くなる傾向なのかなと。
だから、いつも社用携帯電話を手放せない仕事の人には手当をつけるとか、そもそもそのJobに対して個別に高い給与水準を設定するとか、そういうのが一般的になってほしいなと思う。
以前何度か記事にしたけれど、僕は海外の企業に行こうと本気で取り組んだことがある。今の会社とは縁があるなと思いつつ、ちょっとしたきっかけで去っていた可能性も高い。今後日本の古い採用・雇用体系は限界が来ると思う。崩壊してから変えるんじゃなくて、今のうちから抜本的な見直しを図ってほしいし、自分自身からも声は上げていきたい(いろんな機会であげてはいるけど)。