僕はこだわるものは徹底的にこだわって選ぶ。 それに価値があると思ったらお金を払う。
一方で要らないと思ったものは持たないし、お金も使わない。
お酒はほとんど飲まないし、タバコは吸わない。ゴルフはやらない。家は買わないし車も持ってない。よって駐車場代もかからないし税金もかからない。30代になってからあまり洋服も買わなくなり、20代で買った洋服を10年経っても着てたりする。
ただ、Apple製品は定期的に買い換えるし、カメラは高価だが特別な写真が撮れるLeicaを使っていたり、クレジットカードも価値があると思ったら年会費が高くともそれを使う。
このブログでもそういうところを書いてきた。
ただ、一つ、人間の機微というか、難しさというか、ぜひ知っておいてもらった方がいいと思うことを書いておきたい。
腕時計の話。
30代前半、パネライのPAM00048というモデルを購入した。その後メンテしながら愛用している。
記事:オーバーホールから戻ってきたパネライのPAM00048。かかった期間と仕上がり。一生モノの機械式時計をメンテナンスしながら使う。(2019.5.15)
数十万円という目玉が飛び出る値段だが、日々身につけるもので一生ものと思えば決して高くないと感じる(メンテ費も実は目玉が飛び出る金額。。)。例えばだけど、一生乗れる車ってあまりないと思うし。
歴史とロマンある時計で、300m防水と実用性も十分。デカ厚であるべき理由というか、海軍で使われていた歴史的背景から視認性が抜群である必要もあるし、耐水性が十分である必要もあったブランド。
機械式時計の魅力にどっぷり使っていた僕は一生ものと思って思い切って購入した。また、震災後本当に仕事が大変な時を乗り切った自分へのご褒美的なところもあった。
万一災害時どの時計をつけていく?となったら間違いなく選ぶのはこれ。機械式で電池切れの心配はないし、丈夫で頑丈、頼りになる時計である。
仕事の日につけることはあまりなかったが、絶対つけないというわけではなかった。また、会社の人と休日に会うときもある。
そういう時に、思った以上に時計を見られていたようで、いろんな人に言われた。
「いい時計してるね」
僕は空気が読めない人間なのだが、流石に雰囲気でわかる。ああ、なんていうかよく思われてないな、と。ときにはストレートに「そんな高い時計して」くらいのことを言われたこともある。
僕からすれば30代で車に乗ってる人はたくさんいるし、20歳からタバコ吸ってたらこの時計が買えるくらいのお金を使うし、日々お酒を飲む人もそれなりにお金を使うし。ただ単にお金の使い所が違うだけなのだけど、残念ながらいい時計をしているということはいい印象を持たれないこともある。
「そういうのは面倒だな」と。
自分自身もよくないなと思うところもあって、気に入ったものをつけているだけなんだけど、っていう感情を持ってしまったり。自分にも否はあるのかなと思ったり。何がよくなかったのか、実はあまり完全に理解しきれてない。パネライはかなりカジュアルな雰囲気もあって。海軍がつけていたようにあくまで実用性や機能が評価されているブランドとはいえ、目立つところもある。態度がよくなかったのかしら。そういうところがダメなところなんだと思ったり。
とにかく、それ以来会社につけていくことはしていない。なんていうか、疲れてしまったから。使用頻度が限られてしまってなんだかなと思うものの。
時計を売ろうかと思ったが、でも、やっぱり思い入れがあるのと素晴らしい時計なので手放せない。
違う国だったらどうかなという気持ちもある。他の国だと治安の面で怖いけど。
そんなこんなもあって、平日の主力の時計はApple Watch。こちらはせいぜい数万円。
「いい時計してるね」と言われたことはない。
さすがApple好きだね、と言われたことはある。やっぱり皆さんよく見ている。
若いけど、素敵な(お値段もそれなり)機械式時計をつけたいと思っている人は、こういう側面もあるということをお伝えしたいと思って記事を書いた。
なんかふと思い出した。たまにはこういう記事もいいかな、と。
好きな時計すればいいじゃん、て思いもある一方で、色々言われると面倒だなと思った経験もあり、難しさを感じるところ。
今日の独り言おしまい。