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パズル

業務分担表作成。未来を考える仕事

2024-05-22Engineer-Work

当ブログで度々登場する課長やマネージャー、中間管理職という仕事。

気がつけば僕もこの仕事を7年経験した。

最初に断っておくが、正解が書いてある記事ではない。

僕のやり方が正しいとは限らない。また、組織や仕事の内容・そこにいる人たちの個性によってベストなマネジメント手法も変わるはず。

ただ、7年間試行錯誤、トライ&エラーを繰り返し自分なりの学びがあった。

このウェブの世界にヒントを置き、誰かの役に立てばいいなと考えて。

話の前提

僕の経験は主にプラントエンジニアリングやメンテナンスの分野となる。今ある設備を対象とすれば未来の仕事内容や量は比較的読みやすい。

もちろん案件がなくなったり増えたりということもあるので、職場にもよると思うけど、そんなバックグラウンドである前提で。

また、メンバーは若い人からベテランまで幅広かったものの、若手の方が多い職場であった。各人が経験を積みつつ成長するという観点にも重点においている方かもしれない。

また、僕自身の向かいたい方向として、担当者皆さんが自分で考え動いてくれる組織を考えていた。指示を受けて行動するのではなくて。サッカーで言うなら、監督は方針・作戦を伝えるも、あとはピッチの選手がその瞬間その瞬間で判断して動くことを優先したいタイプ。

監督は全体を常に見ながら、整えるべき点があれば整備していくイメージ。ピッチでの判断がイメージと違う場合は都度すり合わせしていきながら。見てると細かい点が気になっちゃうので、バランスとっても難しいものの。

そんな人がこの記事を書いているという前提で。

組織の成果を上げるために

マネジメントとは成果を上げること。

組織の目標を達成することが第一。

人材育成も重要だが、それを達成するために事業収益を犠牲することはできないだろう。株主視点で見れば、常に結果を出してもらわないと困る。

自分の所属する組織のミッションは何なのか。まずはここを頭に叩き込んで業務分担表作成に取り掛かる。

未来を考える仕事

各メンバーが業務に一度取り掛かったら、途中で担当をコロコロ変えるわけにいかない。一度作った分担表のベースは数ヶ月、1年レベルで継続使用する。

各人の業務量のバランスは取らないといけないから、1年先までの業務量を想像しながら考える。

ということは。一年先まで何が大変で、何をしなくてはならないか、達成すべきことは何か、を考えなくてはならない。そしてそれを実施するのが誰か、も。

まずは個々人の強みが活きるように配分しつつ、プラスαを考える。あえて得意じゃない・やったことない仕事を任せて成長を促すこともあるが、みんなが非効率な仕事をしては大きな成果は出ない。

事業計画と、そこにいるメンバーの能力と、個々人が将来を見据えてトライしたい仕事と、etc…綿密な計画が必要。

もちろんもっと先も見る。例えば2-3年先に大きなイベントがあるなら、それをやってほしい人に2年前から担当をつけて準備してもらう。異動しなそうな人がいい。

まさかの人事異動でキーパーソンがいなくなって「ぎゃー」ってことも何度かあったが、そんときはそんとき。

未来を考えること。

そういう意味でリーダーとはクリエイティブな仕事かもしれない。

人材育成とモチベーション

丸の内エリア、ビジネスマン

未来を作る担当者たちができるだけ前向きに、経験を積み、実力を上げられるよう意識して仕事の割り振りをする。

その人がレベルアップできるように。強みが活きる仕事と、苦手な仕事の割合もできるだけ意識して。

ちょっと背伸びするぐらいがいい。

成果が出にくい仕事、周りに見えやすい仕事、大事だけど周りの人に見えにくい仕事、と多様。それをバランスよく。難しいけど。

業務分担表を期中に大幅に変えても問題ないというのが僕の経験上の結論。それが成果を最大化する目的なら。それが将来につながるなら。

業務負荷をよく見ておいて、担当は変えないまでもサポートを入れることもある。常の周りを俯瞰して見て、動いた方がいいか考える。

とはいえ本人の成長のために答えを言わない方がいいこともある。課題の継続性を持たせ、じっくりやってもらう仕事も重要。答えを教えて欲しそうにしていることもあるけれど、先行き不透明な現代、自分で答えを捻り出す力は重要だと思い、あえて何も言わないようにしたこともある(組織としての業務に影響ない範囲で)。それが正解だったかどうかはわからないけど。

これらはトライアンドエラーの連続。正解はない。

定期的な担当ローテーション

同じ部署でも複数の仕事を担っていてそれぞれ内容が異なることもあるだろう。その場合、どういう順番で仕事を経験してスケールアップしてもらうかのロードマップを作ると良い。

新入社員で入ったときは、形が決まった仕事が良いだろう。慣れてきたら徐々に次の仕事に取り組んでもらう。難易度を上げていく。一人前の人には応用問題をお願いする。

ただ、必ずしも全ての仕事をコンプリートする必要はない。エッセンスを身につけられれば違う仕事にもすぐに馴染める。その辺りも鑑みながら、どういう流れでステップアップしてもらうかベースケースを考える。

担当の皆さんが新鮮さを失わないように。定期的に新しい挑戦をして、できることが増えれば誰だって成長を感じられると思うので。

本人の希望と将来目指す方向

その人が将来どうなりたいのか、そこに向けていい経験になる仕事はないか。ここも頭に入れる。

担当する人もモチベーション高く取り組んでくれるはず。

その仕事をお願いする意図と期待は本人に伝えるのが良いと思う。

分担表のフォーマットを変えてもいい

過去に使用されていたフォーマットがあるだろう。それは歴史を経て今があるので尊重する。

一方、世界は日々変化している。

時代に合わないものは変えていい。失敗したら戻せばいい。

例えば2-3人チームだとする。分担が曖昧でもどうにでもなる。リーダーが見る範囲は狭いし、日々業務指示を出して調整もできる。

一方、7人、10人となるとそうはいかない。組織が大きくなれば必要な分担表の形も違う。

チーム人数の増減はあるだろうし、そもそも組織が変わることもある。必要に応じてフォーマットを変えていいと思う。

その他詳細

続いて、その他細かいところ。順不同で思いついた順に。適宜追加するかも。

Subの役割

主は◎、副は◯。よくこれを使っていた。

が、その業務を経験したことがない人をサブにおいても役割を果たせない。主がいないときバタバタしてしまう。最初にちょっと入ってもらって…と思ってサブに入れたけどうまくいかなかった。

主◎を経験したことがある人ならフォローがきく。

なので、担当してもらいたいなら、まず◎をつけて主担当をやってもらうよう配慮した。自分が担当・窓口になると必死さ・頭の汗のかき方が違う。

未経験者をサブにすることもある。あなた数ヶ月後にこれをやるからね、というメッセージ付きでちょっとずつ業務に入ってもらうケースなど。この場合は本人と主担当に明確に意図を伝える。

こういう意図で主・副を割り当てていたのだけど、多くの場合において副の人が経験者ゆえ、主担当が休みをとりやすくなるという副産物的メリットもあった。申し送りがスムースにできるらしい。

ポケットに落ちる業務は

生産ラインA、生産ラインBで担当者がそれぞれいるとする。

そうすると必ずポケットに落ちる仕事がある。これはA,Bどっちですか、とか、共通課題が発生した場合誰がやりますか、とか。

発生の都度担当を決めるのも良いが、細かいところまで全部見てられない。

「共通」という項を作って、カバーして欲しい人に◎をつけるようにした。大体数年経験した人に任せる。

担当者同士で協議して仕事を拾いながらカバーしてくれているのをみると大変嬉しくなる。

なお、それでもポケットに落ちる業務は発生する。世の中は日々変化している。新しかったり、未経験の仕事は発生するもの。

改善業務は経験者に

改善してほしい業務があるときは2年連続でその業務を同じ人にお願いする。

初めての業務は理解するだけで時間がかかる。そういうことか!となるには1年経つくらいだったり。

一度経験しないと改善を加えるというのは難しい。気持ちも違う。「ココを改善するゾ」と思ってもらって取り組んでもらいたい。

2年連続でその業務を担当してもらう意図のようなものはあらかじめ伝える。ただやるだけじゃなくて、1年目で気づいた点も踏まえた改善を期待してますよ、と。

期中に変えてもいい

10月とか、1月とか2月とか、中途半端な時期に思いっきり分担を変えたことがある。

何か理由があるんですかと勘繰られるが、理由はシンプル。

成果を出すために必要だと思ったらいつだっていいというのが自論。

重たい仕事が舞い込んだときに、負荷を調整する目的があることもあれば、組織の仕事のサイクルとしてそのタイミングがベストだと思えることもある。

数ヶ月後にキーパーソンが異動になっちゃうから、ということもある、かもしれない。

しかしそれらは全て組織として必要だからと言う理由になる。

なお、タイミングも内容も難しさを伴うので、本当に変えるかどうかの検討で数ヶ月かけたりする(ずっと考えてるわけではないが、常に頭に入れながら将来を考え周囲を観察する感じ)

資格は重要

プラントを運営する上で必要な資格がある。

わかりやすい資格も有れば、要件がわかりにくいものもある。

資格を持っている人が十分にいないと、詰むリスクがあるのでよく把握しておく。

自分が持ってない資格を若手に取れと言っても説得力がないので、自分も頑張って勉強したりする。

あとがき

これで全部上手くいってたんですか?

と聞かれれば答えはノーである。

むしろ反省ばかりだった。

また、業務バランスがうまく取れておらず、「お前のグループもっとできるだろ」とお叱りをいただいたことも一度や二度ではない。

個人的な感想だが、業務バランスを調整するのは超難しい。コツがあったら本当に教えて欲しい。

これまで頑張ってきた仕事を持ってかれたら僕は嫌な方なので、果たしてその人から取り上げて良いのか、など。

ただ、組織としての成果を最大化することが大事なのでときには冷徹にバッサリ行くのが正解なんだろうけれど。

タフな人とタフじゃない人がいるとき、同じ負荷を与えて良いのだろうか、とか。

仕事の質が高くて速い人には仕事が集まるので、眺めていると面白い。他部署の人は答えをすぐ欲しいから、それなりの内容をすぐ返してくれそうな人に相談に行く。

また、急ぎの難しい案件が入ったとき、あの人じゃないとできないかも、となることもある。そういう場合は分担を変えないといけない。

イレギュラーはたくさん起きる。都度どうしたらいいのか考えるのが仕事。答えはない。

多くのマネージャーの皆さんが意識的か無意識かどうかは別として、日々業務分担を考えていると思う。

悩んでいる方に少しでも参考になればと思いこの記事を書いた。

日々勉強。コメントやご指摘あればありがたくいただきます。

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エンジニア(Mechanical)。日々の生活や読書、仕事などから学んだことをまとめます。
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