エンジニアが学んだことをお伝えします

課長 マネージャー

課長を3年やってみて。学んだこと、大変だったこと。ひとつ言えるのは、長い人生、チャンスがあるならやったほうがいい。

2021-02-23Engineer-Work

課長の仕事はとても大変。でもやる価値がある。

3年ほど、15-20人程度の組織の課長をやらせてもらった。

世の中、批判される上司像が溢れている。指示が曖昧だとか。話を聞かないとか。パワハラだとか、フォローしてくれないとか。

あなたは完璧な上司になれるだろうか。

組織を作る上で、一定程度スモールな集団をまとめる人は必要。

やってみるとわかるのだが、みるべきこと、やるべきこと、やらなければならないこと、とにかくいくらでも仕事がある。

本当に大変。

でも、誰かがやらなければならない。

そして、課長は結果が全て。言い訳したって誰が納得してくれるわけでもない。

3年間やってみて、思ったこと・感じたことを残しておきます。

なお、この記事を書いている人は、あまり積極的に課長やマネージャーをやりたいとは思ってなかったタイプの人です。みんなをまとめて成果を出すのが得意な人、好きな人、やりたい人からすれば気に入らない内容もあるかもしれません。もっと楽しいことはたくさんある!という人もいるでしょう。でもこういう考えの人もいる、ということはご理解いただければ幸いです。

はじめに:課長をやってみる価値

一般論として、「マネージメントする立場において、課長が一番いろんな人をマネジメントすることになる」というものがある。

部長は課長の上司。課長はある程度その組織でやってきた人、実績や一定程度の実力を認められた人が任命責任される。だから部長は、ある程度やりやすさがある。

一方、課長がマネジメントする範囲は広い。

新入社員からベテランまで。うまく組織になじめていない人から、ハイパフォーマンスを叩き出すスーパーエースまで。

残念ながらモチベーションを保てない人から高い向上力を持ってバリバリ仕事する人まで。

個人能力はすごいけど独力突破がメインの人から、個人能力だけに頼らず周りと協調して成果を上げるタイプの人まで。

正社員だけではなく準社員やキャリア社員、派遣社員と多様なメンバーをマネージメントすることもある。高校を卒業してすぐに仕事を始めた人もいれば、大学院を出て24歳から仕事を始める人もいる。博士課程を経て入社する人もいるだろう。転職して加入する人もいるかもしれない。多様だ。

一言で言うと、「大変」だ。

大変だった。

うまくいかないことも多いし、イライラすることもある。自分の無力さにがっかりすることも。

でも一つ言えるのは、チャンスがあるなら、人生で一度はやった方がいい。学ぶことが本当にたくさんある、ということ。

ひとまわり自分を大きくしてくれるのは間違いない。

責任重そうだし。やだなぁ。と思っているあなた。僕もやりたいなんて思ったことはなかった。そしてやってみて大変だったし、苦しいことばかりだった。それでもなお、やった方がいい、と言いたい。

経営者だろうがフリーランスだろうが、大きなことを成し遂げるときは必ずみんなをまとめる人が必要になる。ビジョンを掲げ、組織の方向性を示し、チームを率いていくリーダーが。

課長をやって失敗した経験、成功した経験は必ず役立つと信じている。少なくともやった人にしか語れないことがある。

やりたくないからやりません、と言うことは簡単。でも一生マネジメントする側の立場のことは分からない。上司を批判することは簡単だけど、批判される側になって初めてわかる大変さがある。

いろんな人に挟まれ、寝れない日が続き、胃も痛くなり、試行錯誤しながら課長の仕事をした人にしかわからないことがある。

立場が人を成長させると言うが、その立場で得るものは計り知れないほど大きいと思うばかり。

人と働くということ、皆それぞれに人生がありいろんな考え方を持っているということ、課長になって一人一人と話をする機会が多くなったと感じた。学びは多かった。

課長になって戸惑ったこと

最初どうしていいかわからないことも多かった。この辺からまずは語ってみたい。

業務実施計画

その部署や課で年間の目標や業務実施計画を作る会社は多いのではないだろうか。

これは本当に重要。

会社の年間業績目標から降りてきて、自分の課の目標につながってくる。そのストーリーを理解し、自ら課の目標を定める。必達目標は絶対に達成しないといけない。

そして、定めた目標を念頭に置きつつ、期中はこまめに状況を確認し手を打っていく。重要な仕事を任せた担当者がトラブル対応で忙殺されていることだってある。そんなとき、担当を変えるか、トラブル対応を他の人に割り振るか。

放っておいてうまくいかなくなったとき、担当者を責めるのは酷というもの。それは課長がコントロールすべき仕事。

僕自身は基本「気合で乗り切るべし」派が主流の時代に育ったが、今は時代が違う。限られた時間でみんなが成果をあげられるように調整することが求められる。

定めた目標が未達のまま、年度末になってから焦るのでは遅い。少なくとも3ヶ月おきくらいに確認した方がいい。

課長になったばかりのとき、目の前の仕事ばかりにとらわれていた。でもそれではダメで、常に先、なんなら数年後まで見据えて仕事をする必要がある。

それが課長の仕事だと理解した。

自分は何を決めていいのか、何を決めるべきなのか

業務所掌、決済権限は超重要。自分は何を決めていいのか?を知る必要がある。

課長に一定程度の権限はあれど、それを超えたら部長の決済権限となる。また、自分の組織では決められず、隣の課に依頼すべきこともある。

最初はここを把握することが難しかった。その案件をどこまで連絡するかは判断は課長。自分の課の仕事、自分の責任範囲をしっかり把握しておくことは重要。それがないと素早い判断ができないから。

前任者が連絡が取れるなら最初はちょこちょこ相談・確認するのも手かなと思う。

仕事の引き受け・断り

「それはウチの職場の仕事じゃない!」そんな仕事を押し付けられるケースもある。

何を引き受けて、何を断るか。

もちろんやるべき仕事は受けなければならない。そこはしっかりと対応する。

一方、客観的にみてもそれは自分の部署の仕事じゃないケースもある。

ときにはどこの部署の所掌にも入らない仕事もある。バランスをみたら自分の職場がやったほうが良さそうなケースも。

だからとても難しい。

全部断ることも可能かもしれないが、一段高い視点で全体バランスを見て決めたい。こちらが依頼したいときに助けてもらえなくなるというのもある。世の中ギブアンドテイク。

あまりに筋が悪くて、断るべき仕事もある。しっかりと理由を伝えてお断りしよう。なんでも受けていたら自分の部門の業務に支障も出るしモチベーションに影響する。

良かれと思って安易に引き受けたら課の皆さんから文句の嵐!みたいな経験は誰しもがしたほうがいいと思う。結構難しいんですよ、バランス取るのって。。

あ、あと、他の部署が自分の部下にすごく急ぎで重たい仕事の依頼をしてるときがある。部下から相談があったらしっかり対応しよう。上司通さずそんな急で重い仕事を依頼しないでください、と言わなければならないときもある(内容によりけり。ケースバイケース)。他の部署には嫌われるかもしれないが、言うことは言わなきゃいけない。

業務効率化を考え続けよ。

無駄な仕事は思った以上に多かった(職場によると思うが)。

課長が決めれば、すぐに実行できることは多い。担当者が考えて提案して説明してから実行するよりもはるかに早い。

最初は何を削減していいかわからなかったけど、1-2年経験すると勘所がわかってくる。「ココハ権限移譲シテ問題ナイナ」とか。

3年目でグループ平均残業時間が10hr近く減った。
15人×10hr/月×12ヶ月=1800hr。すなわち人一人分効率化できた。

最初の1年間で押したハンコの数は7000〜8000。
会議が多すぎだった初年度は勤務時間の50%が会議。ハンコの数を残りの50%の時間で割ると単純計算だが7-8分に一回ハンコを押すことになる。やってられん!と。

会議とハンコ。これを徹底的に減らすこと。これを検討することから始めた。

課長が席にいないとグループの仕事が滞る。

会議はとにかく断ることにした。「本当に出なきゃいけないの?その会議いるの?」と。

出張は可能な限り行かないことにした。自分は自席にいるべきだ、と。

会議は体感でずいぶん減らせたし、押印数は25%くらい減らせたと思う。

権限移譲の効果

権限移譲はぜひやるべきだと思う。最初は何を権限移譲していいのか、したらいいのかわからない。1年間は実務を回すことでいっぱいいっぱい。

しかし次第にこれは誰かに任せてもいいな、これは自分が決めないといけない、ということを考えられるようになる。組織の職責権限も理解できてくる。

自分を通さない方が部下の仕事がスムースに進み、結果的に部署全体のパフォーマンスが向上することもある。

すごい忙しかった1−2年目だったけど、権限移譲の効果もあって、3年目は少し楽をすることができ、その分違うことを検討できるようになった。

忙しい、忙しい、と言うことは簡単なのだが、できるだけそうならないように努力しよう。

よくマネジメントの本を読むと権限移譲について語られていたりするが、その効果を実感できたのはとてもいい経験になった。

意外と思い切って任せてもなんとかなることも多かったのは学び。

多様な人と働く

ストレスを感じる人もいる。タフな人もいる。

いろんな人がいる。今の環境がいいという人もいればよくないという人もいる。
文句はありがたくいただく。

黙って成果を出してくれるスーパーな人もいる。ありがたい。

残念だけど気を付けないとマイナスな仕事をしてしまう人もいる。いずれにせよ任命責任というものを強く感じるときもある。

そういう人に大事な仕事を与えるときは、必ず管理者責任でしっかり進捗と内容を管理すること。

炎上したら自分の責任だと思って火消しに走る。

火が上がりそうな状況を確認したら即座に消しにかかる。担当者に任せっきりにしてしまうとさらに大炎上することがあるため。

トラブルと火消し

人が仕事をする以上トラブルは必ず起こる。

現場のある仕事なら、現場がうまくいってない!なんてことはよくある話。

人と人とのトラブルもある。

自分だけではコントロールできないトラブルがたくさんある。

ニュートラルに問題を把握し、自分のグループに方に非がある場合は課長の責任であり、謝るとともに解決を図る必要がある。

だいたいの場合、揉め事は複雑であり、簡単に解きほぐせない(だからもめている)。

それを解決するのも課長の仕事。腕の見せ所とも言える。

火が燃え盛る前に消火することも重要になる。

こちらの進め方や判断が正しかった場合、戦わないといけないケースもある。「正しい」と思う根拠を明確にして。

タフだが、それくらいやらないとお給料はいただけない。。

上層部からの指示

課長は現場に一番近いマネージャー。

上層部は細かいところまでは見えていない。状況を正しく伝えるのは課長の仕事。

しかし時間がないと上手くまとめきれず、現状を伝えきれないケースもある。会社として必要な仕事なんてたくさんある。だから次から次へと仕事は降りてくるもの。

時にはイマイチと思える案件もあるけれど、末端では知り得ない情報が理由でそういう意思決定がされているケースもあるので難しい。「質問しても教えてもらえず、やるしかない」という状況になるときもある。

課長はそれを部下にどう伝えるか考えなければならない。忙しい毎日なのに。

部下もよくみているので、誰の指示なのか、とか、どういう力学でこの流れになっているのか肌で感じたり、気になることをストレートに質問してきたりする。課長は常に説明を求められる。

「いいからやるんだよ」って言われても僕自身納得しないタイプだったので、そこは悩んだな。。どう伝えるか。

なお、こんな場合でも、優先順位をしっかり上司(部長)と確認し、基本は部長の指示をフォローした方がいい。それをやってうまくいかなかったら報告すればいいだけ。文句を言ってやらないのは組織としては正しくない。よっぽどセンスなかったらもちろん協議だけど、それでもやることになったらやるしかない。

逆のパターンもある。自分の判断で必要と思うけど、部下がそれは意味がありません、と言うとき。あなたはどう行動するだろうか?

「いいからやるんだよ」と返すだろうか。ロジカルに説明したつもりでも、部下に伝わらないこともある。そして背景が機密情報で言えないことがあったりすることもある。

「なんでAさんじゃなくて自分なんですか?」「あなたにやって欲しいのです!(なぜならAさんは異動で違う部署に行っちゃうから…:言えない)」、なんて話もある。

なお、勘の鋭い人は勘づいてくれることもある。そういうことだ!って感じで双方前に進む。もう、それはしょうがないので大人な対応を双方図る。

本当に難しい。

人材育成や組織形成

課長にしかできない仕事。人の育成を考慮した業務割り振りや人事異動調整、評価のところだ。

育成は難しい

成長する人は勝手に成長する。一方、伸び悩む人もいる。大器晩成タイプかもしれない。

仕事を通じて成功体験と失敗を繰り返しながら成長してもらうのがベスト。ときには崖から突き落として這い上がってくるのを期待することもある。

突き落としちゃうとダメなタイプの人もいる。ここは人それぞれなので一律育成方針みたいなものを当てはめることはできない。

職場の仕事と計画、メンバー構成、今後の異動計画、これらを加味して業務割り振りを検討し伝える。

担当者がどんどん成長して成果を出してくれることほど嬉しいことはない。そういう人にはさらに難しい仕事をお願いする。成長速度はどんどん加速。数年後、立派になったエンジニアを見るのはこの上ない喜びになる。

人事異動

ある程度の規模の組織において、同じ人が同じ組織に何十年もいてはいけない。
その人のためにも、その組織のためにも。

専門性を活かしながら、そうは言っても全く同じ部署に十数年もいることがないように。

他の職場での仕事は視野を広げるし、もとの職場に戻ったときに違う観点で物事を見れる。

日本の組織の人事異動はいつだって難しい。終身雇用がベースの組織では、異動はいつも玉突き調整になるからだ。

前にいた人が会社辞めたからポジションが空く、というケースは海外に比べて少ない。定期異動(4月とか7月だろうか)のタイミングでグルっと回すことが多い。

本来異動させてあげるタイミングでもそれがかなわないことも多い。逆に本人の成長のためにまだ異動させるべきでなくとも、組織全体から見たらどうしても人を動かさないといけないケースもある。

エースはどの職場も手放したがらない。貴重だから。せっかく育てて戦力になった若手の異動も職場から見ると苦しい。

でもやはり、一般論で言えば会社全体で考えることが大切。自分の職場が会社全体からみたら小さな組織であるならば、会社全体がプラスになるかどうかで考えるべきということ。

エースはいろんな仕事やプロジェクトを経験して、成長速度をさらに伸ばしてあげた方がいい。囲い込むのは本人のためにも会社のためにもならない。

職場は回さないといけないので、もちろんそこも重要。でも多少苦しいくらいなら、エースに違う環境に行ってもらった方がいいという判断もある。そっちの方が残ったメンバーも成長するので。

だから、本人のためになるなら、外へ異動させてあげることをまずは考えた。
新しく入ってくる人、残るメンバーが成長するためにはどうしたらいいかを考えた。

グループが崩壊すると思ったら断ることを試みた。決定権は自分にないからいつだって難しい折衝になるけれど。調整会議の際に、ウチの課は本当に厳しいんです…(涙)アピール合戦みたいになることもあったり。なかったり。みんな厳しいのは一緒なんですよね、大体。どこも人がいないのです。

査定

会社の原資(お金)は限られている。給与や賞与を無制限にみんなに割り振ることはできない。いわゆるビジネスパーソンたちは、相対評価にさらされる。

課長の仕事は部下に成果を上げてもらい、査定会議でアピールすることだ。

いきなりアピールしようと思っても遅い。

1年前から準備しておく必要がある。その人にとって少し背伸びするくらいの仕事を与え、頑張ってもらう。

失敗するか成功するか、際どいくらいがいい。

簡単な仕事だけ与えていては、そんなのやって当たり前だよね、と言われて評価されない。

たとえいい仕事をして成果を上げたとしても、ときに周囲に伝わらないことがある。人件費は限られているのでどうしても最後は相対評価になる。他に目立つ人がいると負けてしまうのだ。

その際に、直属の上司がどれだけ頑張ってもしょうがなくて、周りの評価が大切になってくる。自分のグループにしか見えない仕事だけでは評価を得られない。

何年か課長をやっていると、その勘所が理解できてくる。そんなの学校の授業では教えてくれない。先輩に教わる機会もなかなかない。でも超絶重要だ。

査定会議で議論の流れで思い通りにならないこともある。相手がある話なのでいつだって難しい。自分の理屈だけ通る世界ではない。みんな自分の部下を抱えているのは一緒だ。昇格するかしないかで来年1年間のお給料が変わってしまうのだ。

だから頑張っている部下のために一生懸命追加アピールする資料を作ることもある。できるだけロジカルに、定量的に成果を書き出し、総務部門に提出する。

そこにあんまり書けない場合はなかなか苦しい、やはりある程度成果を出さないと相対評価されるときは勝負が難しくなるので、担当者は数字も意識して頑張ることが求められるかなと。

課長が考える時間を失ったらダメ

忙殺されると目の前の仕事に手一杯になる。トラブル対応の火消し、人事異動に伴うバタバタなど。

しかし将来を見据えて、自分の率いる課のなすべきことを定め、方針を作り、具体的業務に落とし込む仕事は担当者ではできない。

課長がやらなければいけない。じゃないとその組織の未来は描く人がいなくなってまう。

右腕がグループにいるなら恵まれている。右腕とともに検討しよう。

職場作りは課長の範囲

最も好きな業務は席替え検討だった。なぜなら自分で決められるし、成功も失敗も職場を見てればわかるから。

何ヶ月も先までを見据えて、仕事の割り振りと小チーム編成と座席配置を考える。業務分担と、育成と、コミュニケーションを密にとってほしいところと、いろんなことを考えながらパズルを組み合わせていく。

座席で近くにいるのか遠くにいるのかは経験上とても重要。近くにいると、意識しなくても勝手に情報が入ってくる。電話の声、ほかの人の質問。人間の耳はよくできていて、自分が気になることは耳に入ってくる。

どういう仕事の進め方をしているのか、進捗をいちいち説明してもらうより、隣に座って仕事をする方がよっぽど効率的に情報共有可能。だから仕事内容が近い人とか、先輩後輩で組んで業務をお願いしてるチームは近くになるように配慮した。

また、できる先輩の近くに座ることほど勉強になることはない。だから伸び盛りの若手はできる先輩社員に囲まれるように配置したりした。

みんなも忙しいのでつきっきりで教えることは難しい。でも隣に座って毎日ちょっとずつ会話しながら考え方を学んだり、隣で実力者の日々の仕事を観察することで成長できる。

まぁ実際何がベストなのかという定量評価はできないので上記やり方が良かったのかどうかは言い切れないところ。

なお、フリーで座っていいよ、となったらどうなるかを考えたけど、トライをする前に僕が異動になった。

今はフリーアドレス制が流行りつつあるので興味津々。

飲み会

なぜ日本の飲み会って、こう、堅苦しいのだろうか。

「じゃ、乾杯(もしくは締めの挨拶)の挨拶お願いします」みたいなことを毎回お願いされるわけである。

考えるのも大変だし、そんな毎回挨拶聞きたい?と僕は思っちゃうので。

期末会とか誰かの異動に合わせた壮行会とかならもちろんわかるけど。毎回課長の挨拶って必要?派。

面白いこと言える人はいいけれど、世の中そんな人ばかりじゃないのです。。最後まで飲み会の挨拶は得意になれなかった。今日はあなたがやってください!って返しちゃうこともあったなぁ。

リーダーとかマネージャーになる前に、飲み会での挨拶にはなれておいた方がいいかもしれません。

おわりに

ダメな課長だった。

ここまでかっこいいことも書いてるけど、僕ができてたわけではない。経験上大事だと思うこと、大変だったことを書き出しただけ。意識するのと結果で出すのとにはまた大きな差がある。3年やったくらいじゃ全然だという認識。課長という仕事はエンジニアのそれとは全然異なる。マネージメントにも専門性ってあるんじゃないかなと思う。エンジニアだった何年も何十年もやってやっと一人前になれるくらいだし。

僕自身は、エンジニアとしてのスキルと経験に自信がある。技術的な課題に対してはアドバイスできるし、本当にピンチのときは答えを出して次に進めることもある。若手の成長を想って答えを出さないこともある。

いつも冷静にいたいという気持ちはある。

でも僕は感情が表にでるタイプ。理不尽な依頼が続いたりトラブルが続くとイライラがでてしまう。

言いたいことは言う。言ってしまう。海外に行って変な方に悪いクセが付いたかもしれない。

人のモチベーションを意識した依頼の仕方が苦手。その人に仕事をお願いする理由はたくさんある。言えない人事異動も関わっているケースもある。だけどお願いされるなら「あなたのクオリティが必要だ」と言ってあげた方がいい。

ものは言い方、言葉をうまく扱える人は強い。そういうところが僕は弱い。何度も「ああ、こう伝えればよかった」と思った。

途中で辞めるつもりでいた。

でも3年目は、職場の効率化という面で色んなことが上手く行った。残業も職場で平均10時間減った。

やったのは徹底的な効率化、業務削減。上司が変わってそこに力を入れてもらえたのが大きかった。

仕事って難しいなとあらためて思った。どんな環境でも活躍できる人は本当にすごい。僕はそういうタイプではないと悟った。

でも、ときにはうまくいくともあるんだなと、とも実感した。めぐりあわせ。

3年間クビにならなかったけど、感謝しかない。文句はたくさんあったと思うけど、組織の目標のためにみんなしっかりと貢献してくれた。

もちろんここに書ききれなかった仕事がたくさんある。大変なトラブルもたくさんあった。お昼を食べる時間がないなんてよくあった。夜寝れないこともたくさんあった。無茶な仕事の連続で限界に達し、イライラして頭が破裂しそうになったこともあった。強い口調で当たってしまって後悔したこともたくさんあった。

あなたの上司はいつも忙しそうにしているだろうか。

焦っているとき、炎上した案件を必死に火消ししようとしているかもしれない。

イライラしているとき、他の部署からの理不尽な依頼で頭にきているのかもしれない。どう断ってくれようか、と。

凹んでいるとき、職場がうまくいっていなくてどうしようか思い悩んでいるかもしれない。人員が減ることが決定して途方に暮れてるかもしれない。

忙しそうにキーボードをパチパチタイピングしているとき。もしかしたらあなたの昇格をアピールするための説明資料を作っているかもしれない。

それとも遠くを見て、ぼーっとしているだろうか。

ぼーっとしているとき、職場を見つめながら先を見据えて体制を考え、個人の成長を想い仕事の割り振りを検討し、チーム分けや座席配置を考えているかもしれない。

ただ疲れて放心状態なだけかもしれない。早く帰りたいなー、ってときもある。

課長という仕事は担当のそれとは全く質が違う。だからこそ経験する価値がある。

チャンスがあるなら取り組んでみたらどうだろうか。全然違う世界が広がっている。やめたきゃやめるって選択もあるだろうし。

「人生はいつの瞬間だって挑戦なんだ。」三浦知良さんの言葉。

課長をやってみた後、グッとくるなぁと実感した。

あとがき

この記事を公開するか、ずっと保留してきた。

あまりに大変な仕事だったし、ストレスフルな上、会社を辞めるつもり満々だった(実際、エンジニアとしての仕事を求めて海外の企業に挑戦した。COVID-19の影響もあって流れてしまったけど)。改めて読み直しても、しんどそうなことばかり書いてある。いやまぁ、楽しいこともあったけど。。

こんな記事を公開することに意味があるのか、誰かに役立つことがあるのか、気になっていた。

でも、「エンジニアが学んだことをお伝えします」というブログコンセプトに沿うものであり、一個人の挑戦の結果と感想はブログの本質ではないかと考えた。

だから投稿することにした。こんな長文を読んでくれる人がいるかわからないけど、今課長な人、課長のもとで働いている人が新しい視点を得られる可能性もあるので、少しでも参考になればと思う。

もちろん一個人の経験と意見であってこれが全てということはない。間違ってることもあるかもしれない。いろんな本を読んだり、意見を聞いたりして自分なりの課長像を作り、試行錯誤していくものだと思う。みなさんの健闘を祈っております。

課長になる前・もしくは課長な方におすすめの本:

課長になってから読んだ本はたくさん。正直なる前に読めばよかったと思うものばかり。以下の記事にまとめてます:

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