2011年発行の本書、マネジメントで参考になるというコメントをどこかで読んで購入。 2022年の今読んでも、全く色褪せることなく、学ぶことが多いと感じた。
野球の話題とビジネスを結びつける箇所が何度も出てくる。
一流の選手、監督として活躍した落合博満さん、どちらも知っている人の洞察が本書『采配』にまとめられている。
本人はドラフト一位で鳴り物入りで球界入りした選手ではなかったことから、成功するまでの努力や大変さ、何を考えたか、も語られる。
ロジカル。考え抜いて、その信念に基づき行動されている。勝つためにどうしたら良いのか、なぜ投手が重要なのか。選手の成長のためにどう指導したら良いのか。監督の采配とは。理路整然とした考えの連続。
この本を読んで、落合博満さんは考え抜く人なんだなと改めて思った。選手時代・監督時代を通じて考え抜いている。だから語れることも、読者に語りかけられることも多い。
適宜、野球とビジネスの共通点に触れ、ビジネスの世界でもこうですよね、と語りかける。
最後の部分は心に響くというか、まとめ方まで、ああすごいなと思い読了した。
本書がおすすめな人
リーダーの立場にいて、マネジメントのヒントを得たい人にはおすすめ。
また、若手を育てる立場の人にもおすすめ。試行錯誤してきた一流の方の考え方を学べる。
采配というタイトルの通り、ドラゴンズでの監督時代の実例が多々出てくる。2004年から2011年まで8年間で4度リーグ優勝している監督だ。岩瀬選手の起用方法とか、さまざまな采配や当時のストーリーについてこの頃の野球を見てた人はより面白く読めるだろう。
心に残った言葉
以下、本書に出てきた言葉で心に残ったもの。
- 嫌われるのをためらっていたら、本当に強いチームは作れない
- 前向きにもがき苦しめ
- 普段から目の前の仕事にベストを尽くす
- 常に全力を尽くすことは、明日に希望を見出すことでもあるのだ。
- さまざまな歩みをしてきた人がさまざまな思いを抱えているだけに、少しでも「できる人の思い」「できない人の気持ち」、両方を理解できる人になってもらいたい
長年一流で活躍してきた方の言葉は刺さる。
仕事でもスポーツでも、何かに打ち込んでいる人でも、プレーヤーでもマネジメントの役割を担っている人でも、多方面で学ぶことが多い本だと思う。野球が好きな人、特に落合さんの現役・監督時代に野球を見ていた人には特におすすめです。10年経った今でも興味深く読めると思います。