この本は僕の人生に最も大きな影響を与えてくれた本だ。2007年に発行されたもので、僕が社会人2年目くらいのとき(2008年)にふと本屋で手にとったのを覚えている。
気に入りすぎて日本語版と英語版の両方を所有しているほど。今でも大切に手元に置いている。
タイトルだけみれば、一見お金についての本のようにみえる。
『一生お金に困らない人のシンプルな法則 究極のミリオネア入門』マイケル・ルボーフ=著、牧野 真=監訳
(『The Millionaire in You』(原文タイトル))
けれども実際読んでみるとわかるが、お金だけの本ではない。仕事・人生についての考え方を学べる素晴らしい本だ。大事なことがひとまとめにたくさん出てくる本書に、若いときに出会えてよかった。
自己啓発本を何冊も読み漁るより、自分に合う1冊に出会い、それを何回も読んで行動に移した方がいい。
僕にとって、この本はそういう位置付けにある。何回も読み、パワーをもらう。それほど大きな影響を与えてくれている本である。
この本から何が学べるのか?
- 時間の大切さ
- 仕事について
- お金を稼ぐこと、貯めること、増やすこと
- 人生について
生きる上で大切な事柄について、多くの示唆を与えてくれる。
小手先の技を教えてくれるわけではない。本質をストレートに教えてくれる。まだ20代前半のころに読むことができたのは幸運でしかない。
これからの人生を充実したものにしたい、本当に大切なことが何かを考え直したい、そんな人にオススメしたい本です。
この本から学んだことの一部、備忘録
『80対20の法則』
80%の成果を生むのは、努力の量や数のうち20%から、といったニュアンスで使われる。他にも、売上げの80%は、顧客の20%が生み出す、など。
限られた時間を価値ある対象に注ごうということである。とても一般的な法則だけど、それを知ってどうするか、ということについて考えよう。
重要なことをリストアップし、そこにリソース(人や時間、お金)を投入する。
ここで大切なのは、価値ある重要なことからまず手をつけると言うこと。ここ重要。
これを意識することで、大切なことに力を注ぐことができる 。
成功は働いた時間の長さによって決まるのではなく、どれだけ知的に働くかによって決まる。
効率化できるものは効率化する。忙しそうに単純作業をすることは重要ではない。賢く、働く、を意識。
ここに終わりはないのでカイゼンし続けることが大事。
自分自身の成長に関すること
あなたの市場価値を高める秘訣とは?
お金をかせぐために必要なことはなにか。自分の市場価値を高めることだ。ここについても本書で解説してくれている。
市場価値を高める。僕はそれを意識してきた。
ひとりのエンジニアとして、自らのスキル、知識、経験を積み上げる。もちろん必要な資格は取得する。僕にしかできないこと、僕だからこそ生み出せる価値。それは何か、そしてそれをどうやって生み出したらいいのか、それをいつも考えている。
フリーランスといった言葉が流行っているが、「フリーランス」ですといっても何かしら専門性・強みを意識していかないとご飯を食べていくだけの稼ぎを得るのは難しい。いま稼いでいる人たちは何かしらの強みをいかしてお金を稼いでいる。そこを見失わないようにしないといけない。
自分の持つ強みは何か、いま一度心に問い直してみよう。
「知識への投資が一番利回りがいい」。
自分自身のためになることにお金を使う。それは資格取得かもしれないし、読書かもしれないし、海外旅行かもしれないし、高品質なモノを買うことかもしれないし、ミュージシャンのライブに行くことかもしれない。
とにかく、ホンモノにふれること。ここを大切にしている。
若い時から自分自身にお金を使うことが将来自分の収入に返ってくる。僕はそう信じている。
時間に関すること
身の回りを整理整頓する
片付かないのは意思決定が遅いからである。….意思決定が早ければ、ガラクタが溜まることはない。….1日10分物探しするとしたら、1年で60時間も無駄にすることになる。物探しは時間泥棒だ。無駄なものを捨てると時間が手に入る。
2007年に発行された本に書いてあることだ。今でこそ少ないもので暮らす人々にスポットライトが当たることが多いが、整理整頓の大切さは昔から主張されている。
片付かない理由の説明がシンプルでいて鋭い。
「片付かないのは意思決定が遅いからである」
迷うから、決められないからモノを捨てられずに部屋が散らかる。ここ超重要だ。
片付けとは決めることの連続。どんどん意思決定していこう。決められない人はどうしたら決められるのかを考えよう。少しでも前に進むことが大切。
時間は最も貴重な財産
….時計は動いている。今日という日を最大限に活かすのだ。
* 1年の価値は、卒業試験に落ちた学生が知っている。
* 1ヶ月の価値は、未熟児を産んだ母親が知っている。
* 1週間の価値は、週刊誌の編集者が知っている。
* 1時間の価値は、待ち合わせをしている恋人たちが知っている。
* 1分の価値は、電車やバスに乗り遅れた人が知っている。
* 1秒の価値は、事故で命拾いした人が知っている。
* 1千分の1秒の価値は、オリンピックの銀メダリストが知っている。
……一瞬一瞬を大切に扱おう。
これは2018年の箱根駅伝を見た際の記事でも引用させてもらった。
時間の価値を表現するとてもいいコラムだと思う。
時間はすべての人に平等に分け与えられる。1日24時間。これをどう使うかは自分次第。
お金に関すること
『72の法則』
投資額を倍にするのに何年かかるかを算出するためのもの。72を年利率で割ると必要年数が算出できる。
年利4%なら18年、
年利6%なら12年、
年利12%なら6年で倍になる。複利の効果を計算できる極めて単純な式だが、時間を味方につけると資産を大きく増やすことを実感できる素晴らしさを持つ。
複利の効果は絶大なので、知っておきたい知識だ。数学はこういうところにこそ役立てよう。
浪費をやめて貯蓄に励む
株式投資では個別銘柄ではなく、マーケット全体に投資する
投資のプロに振り回されるな
この本では、インデックスファンドを勧めている。ノーロード(販売手数料がゼロ)、年間経費(信託報酬)が小さい、分散投資ができる、ファンドマネージャーの能力に依存しない、などの理由からだ。
そして早いうちからインデックスファンドに投資して時間を身につければ、72の法則で資産が増えていく。
投資のプロは短期間で結果を出さなければならない。だからどうしても短期的な視点になる。
本当に長期で資産形成したいなら、振り回されることなくコストの安い銘柄でコツコツと積み上げていくことが大事。これは僕の投資方針にもつながっている。
人生を楽しむポイント
大切なのは、行動し、学び続け、好奇心を持ち続けることだ。わくわくするようなことに情熱を持って取り組み、運動をして、食事に気をつけ、明るく誠実に生きよう
人生とは耐えるものではなく、楽しむものである。
人生に終着駅はない
…しかし、遅かれ早かれ気づくのだ。人生に終着駅などないということに。旅そのものが喜びであり、駅は幻想に過ぎないのだ。いくら走っても決してたどり着きはしない。
ここを読むたびに、こう思う。
「ああそうだな、大切なことを忘れていたな」
今の仕事が落ち着いたら、〇〇歳になったら、子供が大きくなったら、時がきたら、機が熟したら…
そんなことを考えている間にあっというまに時間が過ぎてしまう。
人生に終わりはない。だから人生(=旅)そのものを楽しまないと、人生がつまらないものになってしまう。
いまを楽しめるか。何を大切にするか。
いまやっていることは本当にやりたいことか?そうじゃないならどうすべきか?
大事なことほど忘れがち。
おわりに
旅に出るときに1冊だけ本を選んで持ち出すとしたら、僕はこの本を選ぶ。
それくらい人生に多大な影響を与えてくれた。これ読むと、とても前向きになれる。さぁやるぞ!と思える。
他にも世の中には良書がたくさんあるはずだ。多くの本にふれ、自分に合う本を見つけよう。そして、それをひたすら心に染み込ませる。
先人の知恵を借りながら自分を成長させていくべし。知識への投資が最も利回りがいい。この本が教えてくれたことだ。
そして、ただ読むだけじゃなく、行動に移す。
こうしている今も時計の針は動いているから。
さぁ、今すぐ行動だ。
この本はAmazonで調べても新品の本が出版されていないようで、残念。
中古の本と口コミは今でも残っているようなので、リンクを残しておきます。