少ないもので豊かに暮らす
シンプルライフ
Less is More.
ミニマリスト
…
いろんな言葉や考え方があるけれど、これらを「禅」と結びつけている人はどれくらいいるだろう。
「人生が豊かになる 禅、シンプル片づけ術」は、升野俊明さんが禅の考え方を解説しながら片づけ術を伝えてくれる本。
僕の所有する本の中で、一生大切にしようと思う「殿堂入り」書籍の中の一冊。
どう片づけたらよいか?というただの方法論を教えてくれる本ではない。
豊かに生きるためにどう考え、どう行動どうするか。禅の考えをもとに
「シンプルに心豊かに暮らしていくために、こう考えこうしたらいいですよ」
といったことを教えてくれる。
僕がこの本を手に取ったのは多分2012年頃。「ミニマリスト」が流行り始めた頃かその前頃。
確かSteve Jobsさんが禅の考え方に影響されていることを知ってから購入したと思う。
Appleのデザインの源、本流はどこなのか?それが気になっていた。
そんなおりこの本を見つけ、そこから僕は「少ないもので豊かに暮らす」という考え方に惹かれていった。
モノを減らすことが目的ではない。
「どう生きるか」
どちらかというとここの答えが見つからず人生迷うことが多い現代。
そんな僕らにヒントをくれる素敵な本、です。
心に残る、格言の数々。
掃除とは、「心を磨く」ことです
すべての物は、100人の手を経て届きます
自分を律すると、顔つきが変わってきます
台所は、命をつなぐ食事を作る大切な場所です
手に入った物に執着することなく、どんどん捨てていくと、また新しく別の物がやってくるという循環が生まれます
人生を変えるには、日々の積み重ねが問われます。
書ききれないほど、心にささる言葉がたくさん並ぶ。
ただ掃除・片付けをするだけ。だけどそれを積み重ねていくことで自分が変わっていく。
ただ漫然と朝起きてご飯を食べ仕事をする、そんな生活が変わる言葉にたくさん出会える。
掃除を無心に一生懸命やる、それが心を磨く。
今を大切にする
禅では、「今」という時間を大切にします。…..「この次」「後」ではない。今この瞬間を生きる。それが、禅の考え方です。
処分しなければいけないものは、今、処分し、後に持ち越さない。
今を一生懸命に生きるために必要なものに囲まれて生活する。
ただ掃除を自分でするだけ。
それが空間を整え、自分の心も整える。
今を一生懸命に生き、日々を過ごすことで、人生を明るいものにすることができる。
ミニマリストだ、シンプルライフだ、と言葉はいろいろあるけれど。
本当に大切なのはそれらの言葉にある直接的な意味じゃない。
その奥にある、豊かに暮らす、ということ。
そんなことを教えてくれるこの本を、僕は定期的に読み直している。
方法論を勉強して終わり、ではなく、実際に行動しそれを積み重ねていくことで人生が変わるということを気づかせてくれる、一生の宝物。
人生をよりよいものにしたい、禅の考え方に興味がある、片づけや掃除の目的を考え直したい、そんな方々に強くお勧めできる本です。