ふと本屋で見かけて、思わず手に取った。
「中村俊輔式サッカー観戦術」。現役の選手が語るサッカー観戦術とはどういうものか?
とても興味があって、衝動買いしてしまった。
僕は30代後半で、日本がW杯に出場しはじめた頃くらいからサッカーを見始めた。サッカーについては素人。だけど、ずっと見続けてきて、これまで観戦術に関する本を読んだり、たまにスタジアムにまで観戦にいったりと、サッカーを観る側として楽しんでいる一人。
30代でサッカー好きな人で中村俊輔選手を知らない人はいないだろう。横浜マリノスからセリエAのレッジーナに移籍し、その後スコットランドリーグのセルティックで大活躍。スペインリーグにも移籍し、今は日本のJリーグでプレーしている。日本代表としてW杯にも出場、Aマッチ98試合24得点。
長きにわたり日本代表のMFとしてもプレーを続けてきたスーパースター。現在40歳となっても現役でプレーを続ける。
その左足から繰り出されるキックは一級品。
YouTubeで「中村俊輔 ゴール」検索すればたくさん映像がでてくる。
そんな選手が語る観戦術とは?。とても読みやすく1日で読み終えてしまった。
本書をおススメの人、本書から何を学んだかについて、今日はメモを書いていきます。
この本がオススメな人
- 中村俊輔選手のファンの方(読むべし)
- 中村俊輔選手をテレビなりサッカー番組でずっと見てきた方(本人が過去のシーンを語るページもあり、そのときの本人の思いを知れる)
1990年代から現在に至るまで活躍した選手の名前が多く出てくる。イタリアやJリーグ、日本代表の選手を中心に時代を代表するプレーヤーについても例を上げながら見るべきポイントを解説してくれている。
ここ15〜20年くらいサッカーを観てきた方は、特に、とても面白く読めると思う。 - サッカーの観戦術を学びたい人。特にFK(フリーキック)やCK(コーナーキック)の場面でどのようにプレーを観たらいいのかは参考になる。
読み終えての感想
各章ごとにテーマを変え、中村選手の考え方が述べられていく。読みやすいので、各章次へ次へと読み進めてしまった。
「トップ下」というポジション
最初は「トップ下」というポジションでの立場から戦術について語っていく。
以前「トップ下」の選手は特に重要視され、そこをプレーする選手でチームの攻撃力に大きな影響を及ぼすほどだった。
そのトップ下というポジションにこだわりをもつ中村選手。しかしそのポジションが時代とともになくなりつつあり、そんな中現在のサッカーのトレンドなんかも学べる。
時代の流れを感じることができるパートとなっている。
稀代のキッカーが語るFKやCKの観戦術
数多くのセットプレー(FK・CK)を蹴ってきた中村俊輔選手。やはり彼が語る観戦の仕方はとても勉強になる。スタジアムに行ったらこういうところを見てみよう、読後はそんな風に思うことだろう。
相手チームとの駆け引き、守り方、各選手がその瞬間何を狙っているのか、etc..
新しい視点をたくさんもらえる。
この本から学んだこと
なぜ今回サッカーの本について記事を書いたのか?
いつも別ジャンルの本も読むようにしていて、全然違う世界から学ぶことも多いからだ。
本書を読んで感じたのは、トッププレーヤーですらいつも変化に対応するために考え続け、そして努力し続けているということ。
サッカーの世界の変化のスピードはとても早い。
一度成功したからといって天狗になっていたら、すぐに周りに追い抜かれ置いていかれてしまう。
そして、自分の希望するプレースタイルがチームに求められていないとき、どうしたらチームの勝利に貢献できるのか、そんな葛藤を一流のプレーヤーでも抱えることがある。
希望するポジションでプレーできないことへのアドバイス
当時は代表でもトップ下でのプレーをめざしていた中村選手。しかし日本代表には中田英寿選手や森島選手もいる。希望するポジションを与えらえるかどうかは競争次第。そんななか、彼がもらったアドバイス。
そんな最中、マリノスの指揮を執っていたアルディレス監督は「11人のうちのひとりとしてピッチに立っていることが重要だ。与えられたポジションを自分色に染めればいい」とアドバイスしてくれた。
どんな境遇でも考え抜き、貢献できる人。そしてそこで自分の強みを発揮しつつ、自らを成長させられる人。こういう人が戦い抜いていけるのかなと思わされた。それはプロの厳しいサッカーの世界もいわゆる一般的な企業も一緒に違いない。
今後プロサッカー選手のようにチームを何回も移籍して、という時代が来るかもしれない。海外ではそれは一般的で、何回も転職してキャリアアップしていく人も多い。
そんな世界で生き抜くためのヒントももらえた、「中村俊輔式サッカー観戦術」。
たまには別のジャンルで一流の方の本を読むのもよい。本屋にふらっと立ち寄らなければ出会わなかったので、引き続き、本屋巡りは継続していこう。では。