本棚にあった一冊の本をふと手に取り、ひさびさに読み返してみた。
それは….
「そうか、君は課長になったのか。」著者:佐々木常夫
佐々木常夫さんは東レの取締役や東レ経営研究所の社長を経験されており、家族と仕事のバランスを考えながら成果をあげてきた方。数多くの経験や苦労を乗り越えてきた方の言葉から学ぶことは多い。
メッセージ風に語りかける文章は心に深く届く。試行錯誤を繰り返しながら、上司として仕事をして得たノウハウを我々に伝えてくれる、そんな本である。
小手先のスキルではなく、課長として仕事をするにあたっての考え方、受け止め方、人事に対するとらえかた、ときに政治的なところまで、幅広くアドバイスをしてくれる。理想論だけではなく、組織で働く上で現実的に必要な考え方までカバーする範囲は広い。
僕はいわゆる管理職という立場になった際に、このような本を何冊も読んだ。
そしていま、2年ほどその仕事をしてみて改めて読み返してみると、また新しい発見がたくさんあった。
自分という人間も、時が経てば経験も積み考え方も少しずつ変わるもの。読書も読むタイミングで得るものが違う。
本を読み直すことの大切さ
本は一度だけでなく何回も読み直す。この大切さにあらためて気づいた。
何度も読みたくなるような良書に出会うために、読書を続けているのかもしれない。
本書の終わりの方でも語られている。
本を読むうえで大切なのは、そこに書いてあることが「本当に真実か」ということを冷静に見極める力です。批判精神もなくやたらと本を読むくらいなら、むしろ読まないほうがムダなことを頭に入れないだけ、“傷が浅い”とも言えます。
考える力を養わなければ、読書は有害ですらあるのです。
なるほど。ここまで書いてもらうとしっくりくる。
ただ数を読んだってしょうがない。もちろん知識の幅は広がると思うけど、本当に自分の力にするためには考えながら読まないと。
「良書は何度読み返しても、新たな発見、新たな教訓を汲み取ることができます。そして、自分の考え方や生き方を深めてくれるのです。」
これは今回改めて教わった。
いい本は、長く、多くの方に読まれている。歴史や経験から語られる本質に迫る内容は普遍で、身に着けることによるメリットは大きい。基本を大事にするというか。
良い本は売らずに手元に置いておこう。電子書籍ならいつでも電子デバイスで読み直せる。体に染み込むまで良書を何度でも読む。これも読書で大切なことだと思う。
課長に向いてないと思ったら
話は本書の内容に戻る。後半に「課長に向いてないと思ったら」という項目がある。ここでのアドバイスはそれはそれとしてありがたく受け止めた。
最近僕は海外ナイズされているところがあって、自分にあわなければ別の道をトライするという方法もある、という考えに染まっている。海外では自らキャリアを構築していく意識が高いため、仕事を変えるケースも多い。近頃はこんなことばかり考えている。
一方、佐々木さんは「運命を受け止める」、という考え方を持たれている。たとえ自分が望まない仕事でも、会社が将来を考えて与えてくれたポジションであることだってある。
自分らしくありつつ、気負わずやりなさい。
そういう考えもあるな、と再認識。そんなメッセージをありがたくいただきつつ、また来週からがんばろうと思えた1日。
まとめ
今日言いたかったのは、
- 良書は何度でも読み直そう
- 課長に近い人、すでに課長として仕事をしている人に「そうか、君は課長になったのか」はおススメです、ということ
でした。
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