以前(2018年5月)に書いた記事がある。それは、会社を辞めるかどうか考えた、という記事だ。
記事の中で紹介した本を読み、少し冷静になり僕はそのまま仕事を続けた。
いま、また心が揺れている。
自分は何がしたいのか
僕が書評を書いている本の内容を見てもらうとわかるのだが、今組織では中堅で、マネジメントを期待される役割を担っている。日本ではトレーニングを受けないまま管理者側にポジションを変わるケースも多い。だから多くの本を読んで日々勉強している。
- 「3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術」を読んで
- 『コーチングとは「信じること」』を読んで。この本は単なるラグビーのコーチングの本ではない。鋭く日本文化を観察し言語化してくれている本
- 「新1分間マネージャー-部下を成長させる3つの秘訣」上司も部下も、仕事をする人はみんな定期的に読み直すべき本【書評】
- 「1分間マネージャーの時間管理 働きすぎを解消する仕事のさばき方」いつも忙しい管理者の方におススメしたい本【書評】
- DaiGoさん著書「人を操る禁断の文章術」を読んで。人に動いてもらうために必要なこと。
書評を書いてはいないが、他にも何冊も管理者として勉強になりそうな本を読んできた。
しかし、本に書いてあることと実際やってみるとでは全然違う。当たり前だが、違う。理想と現実のギャップというのは海溝ほどに深い。
働くメンバーは人間。みんなそれぞれの人生を歩いているし考え方も別。
会社は会社。経営の観点から考えることはまた違う。その間で折り合いをつけながら仕事を前に進めていかなければならない。
理想論も泥臭さを考慮した対策案も、本には書いてあるけれど、実際にやるのははるかに難しい。
多くの人とビジョンを共有しながら、1人ではできない仕事をみんなで協力し成果につながていく。ここにやりがいを見出し活躍できる人は管理者に向いている。
だけど僕はそうではない、向いていない。
これはやってみてわかったことだ。
やってみなければ分からないことは多い。管理者として組織をマネジメントするチャンスをもらえたこと自体が光栄であり、僕にとって大きな財産だ。
でも。サッカーでいうならば、まだまだ選手としてできるしプレーヤーとして勝負をしたいのに、コーチや監督をやっているようなもの。それも自分の意思ではなく会社の人事異動で決まったこと。
ココが大きなギャップの根源である。
エンジニア気質
これまで「エンジニア」として仕事をしてきた。入社から10年間エンジニアリングをやってきたのでそれが当たり前だった。ここ2年、マネジメント側をやってみて再認識した。
ああ、オレはエンジニアの仕事をやりたいんだな、と。
海外で仕事をしていたとき(多国籍な職場だった)、50歳、60歳を超えてもエンジニアとして活躍している外国人のエンジニアが多いことに驚いた。その道何十年とやってきていて知識も経験も豊富。重い責任がのしかかる意思決定も行う。その分お給料ももらう。
そんなエンジニアとしての生き方もあるんだな、と。
2年半の海外での仕事を終え、僕は人事異動で日本に戻った。エンジニアではなくマネジメントをする側の立場として。
一生これか?
働き方改革という言葉が日本で使われ始めたのは比較的最近。日本の企業は各種取り組みをしているようである。
ところが忙しい日々は変わらない。
たしかに昔に比べればまともになった。
日中忙しいのは当たり前。朝から夕方まで8時間ヘロヘロになるまで仕事に取り組むべきだ。
でも、それだけじゃない。それを超えて睡眠時間を削って仕事をしている。小さな子供が起きている時間には帰れない。朝は5時に起き、家族がまだ寝ている時間に家をでる。定時に上がる日は公式な飲み会がある日か、相当に体調が悪い日くらい。
家族にも心配される日々。
自分でコントロールすればいいじゃないか、という人もいるかもしれない。
それができていればやっている。所詮組織の一員であり、持っている裁量も限られている以上、コントロールしきれない部分もある。
ある日。ある疑問が浮かんだ。
「一生これか?」
声をかけてもらった
海外の企業で働くチャンスは0ではない。2年半上司が外国人の環境で仕事をして、英語で仕事をすることは苦ではなくなった。社会人になった時のTOEICは400点ちょっと。だけど必死で死ぬ気で英語を勉強して仕事をする上でなんとかなるくらいの英語力は身についた。
技術力にも自信がある。
だから、僕は海外で仕事をできるという自負がある。過信かもしれないが、自信を持たなきゃ人生切り開いていけない。
最近今後の人生について考えていた矢先、海外のプロジェクトについて声をかけてもらう機会があった。
「ここで働く気はあるか?」
あるプロジェクトで仕事をしている人からのお誘い。
採用されることが決まっているわけではない。Job Interviewを受ける必要がある。だけど「お前なら大丈夫だ」と誘ってもらっている。こんなにありがたい話はない。
そこは日本人のほとんどいないであろう海外の企業。いつ日本を出ることになるかもわからない。
その会社への回答のタイムリミットは迫っている。
自分の中で自問自答が繰り返される日々。
…..
家族はどうする?
海外に出れば、仕事を失うリスクは高まる。クビになる人も多くみてきた。
だけど、これは多くの人が足を踏み出すことを躊躇するチャレンジ。だからこそやってみる価値がある。
日本にいても、飲み会が多く、それなりの残業は避けられないだろう。村社会ゆえのお付き合い、という文化は多少なりとも残る。嫌いじゃないが、正直疲れた。
単身で家族がいなければ悩みも少ないだろう。
今の会社でお世話になった人たちのことを考えなければ、悩みも減るだろう。
だけど現実は違う。考えなければならない。
けれども、自分の心の声は明確に答えを出している。
「チャレンジ」の一択。それを押し通すかどうか、これが今の大きな考えどころになっている。
今日も聞こえてくる。
「一生これか?」
物語は続きます
答えもなく終わりもない物語はつづく。次回はまた何か進捗があったら書くかもしれないし書かないかもしれない。