僕が25歳くらいのときだったと思う、本屋をうろうろして見つけた一冊。
今読み直すと、意識したいと思っていることのほとんどがここに書いてあった。これが僕の社会人人生のベースになっている。そして読み直すとできていないことにたくさん気づいた。まだまだ未熟である。生涯共にする一冊、として継続して読んで実践して…の繰り返しが必要。
新入社員から経営者まで、読んだことがない人全員に推奨したい本。自分のブログのBookカテゴリの記事を眺めていて、あれ、この本について書いてないのか、と気づいたので改めて記事にするもの。
本書についてのメモ
原題は、The Effective Executive。「経営者の条件」と訳されているが、本書では、あらゆる階層で意思決定を行うものは権限の範囲は違えどエグゼクティブであり、トップであろうと新人であろうと皆成果をあげなくてはならない、と説く。
成果をあげるためになすべきことは何か。1964年の本であるが、組織、時間、会議、人事、意思決定等を取り扱い、現代にも通じる普遍的な内容。
以下、いくつか格言的な箇所の抜粋:
- 第一に「今後一年半あるいは二年間、自分な何によって貢献すべきか」「いかなる成果をもたらすべきか」「それはいつまでにか」を考えなければならない。
- 成果に集中すべきである。
- 会議:聞け、話すな。
- 成果を上げることがエグゼクティブの仕事。なすべきことをなす。
- 今日あらゆる階層において、意思決定を行う者は、企業の社長や政府機関の長と同じ種類の仕事をしている。権限の範囲は限られている。組織図や電話帳に地位や名前は載っていないかもしれない。しかし、彼らはエグゼクティブである。そしてトップであろうと新人であろうと、エグゼクティブなる者は全て成果をあげなければならない。
- 私は、成果をあげる人のタイプなどというものは存在しないことにかなり前に気づいた。私が知っている成果をあげる人は、気質と能力、行動と方法、性格と知識と関心などあらゆることにおいて千差万別だった。共通点はなすべきことをなす能力だけだった。
- 汝の時間を知れ
- 会議は原則ではなく例外にしなければならない。みなが会議をしている組織は何事もなしえない組織である。
- 人には、「読む人」と「聞く人」がいる。
- 問題の種類を間違って理解するならば決定も間違う。
今読んでの気づきとして、時間をまとめる手法として週に1日は家で仕事をするという言及があった。1964年の本である。何度読み直しても発見がある。
おわりに
この本に若いときに出会えて本当に良かったと思う。本屋に行って歩き回ることを今も続けている源流がここにある。
古い本だが、本質的。聞けばAIがそれとなく答えてくれる時代だが、今だからこそひっきりなしに目に入ってくる情報をシャットアウトして、じっくり読みたい一冊として紹介したい。

















