出る出ると聞いて楽しみにしていた本、「う。-ウナギの蒲焼について」著者:高城剛。
著者は、毎回違う切り口で、マニアックな分野でありながら日常に結びつくテーマで本を書かれるが、今回のテーマはうなぎ。
日本のご飯とこれほど相性の良い食べ物はないのではないかと思うほど美味。しかし近年価格は高騰。
個人的にも食べる頻度は激減。そんなウナギについて、多様な側面から学ぶことができる。
以下簡単に読後のメモ。
読んでの感想
前半はうなぎの蒲焼が生まれるまでの歴史、タレの歴史、地域による蒲焼の違い、うなぎそのものの生態、etc..。
あの味、食感は歴史の積み重ねであり、どのようにあそこに至ったのか、さまざまな時代を追いかけながら探っていく旅。ページを送る手が止まらなかった。
天然のうなぎがどこで生まれどこから来たのか知っている人がどれだけいるだろうか?僕は本書で初めて知った。衝撃とともに地球の凄さを学んだ。
それを知るだけでも読む価値があると思った。
後半は用語説明。マニアックだが、用語の視点からうなぎを解説し、それがまた知識の底上げになる。多様なうなぎの種類・呼び方、漁に関する用語、etc.。非常に奥が深い世界であるとともに、歴史を感じる部分でもある。ここまで調べるには相当な熱意が必要なはずで、あらためて著者のうなぎへの情熱を感じることができるだろう。
それとともに日本人の感性の繊細さだったり、文化の奥深さを感じられる。
絶滅危惧種、日本の文化の奥深さ、違法取引、…うなぎについて我々はどれだけを知った上で食してきただろうか。
「う。」というタイトルに込められた想い(本書内で語られる)。強烈なメッセージから我々は何を感じどう行動するか。
非常に考えさせられる一冊だった。
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