日本の和牛。僕ら日本人は和牛についてどれだけ知っているのだろうか。
高城剛さんの『和牛3.0』は和牛というテーマで書かれた一冊。
本書を読めば、幅広い知識と理解を得られる。
まずは牛の歴史から始まる。
日本人は今でこそ牛肉を食すが、昔はそうではなかった。欧米化の流れと牛肉。
まだまだ牛肉を食べる歴史は浅いんだなと勉強になる。和牛1.0。
追って解説される和牛と国産牛の定義の違い。松坂牛や神戸ビーフなど、誰もが聞いたことがある和牛ブランドの名前は何度も出てくる。このような有名なブランドはどのような歴史、特徴があって人気があるのか、学ぶことができる。
続いて牛肉のクオリティについて。
「A5ランク」の意味。そういえばあまり調べたことがなかったなと。どうやってランクづけされるのか、本書でも解説される。A5は本当に美味しい肉なのか?今一度考えてみた方が良いかもしれない。
日本の牛肉を語ると避けて通ることができない今の牛のルーツ。外国から入ってきた牛と、日本の牛と。
逆に輸出産業になるポテンシャルがあるものの、過去に流出し海外でWAGYUが作られているとのこと。密輸等もあるらしく、うーむ、知的財産の保護というのは大事だなと。和牛も一緒なのかと。
モネンシンの問題も言及されているが、非常に複雑で根深いものがあるように思われる。
和牛農家の経済状況も厳しいらしい。補助など色々な仕組みがないと経営も難しいようで、そういった現状も本書では触れられる。美味しいお肉を食べ続けるにはサステイナブルな環境が必要。
和牛2.0。和牛を事業として取り組む難しさは本書でよく勉強できる。しかし食べ物の自給率は国として重要であり、人々の生活を支える重要な仕事の一つ。
そこで注目される和牛3.0。最後は最新の取り組みが紹介される。
放牧牛、ITの活用、医師が経営する精肉店、etc.
ここまでメモを書いてきた通り、多様な視点から語られる和牛。牛と人間の関係、歴史、ビジネスとしての視点、美味しいお肉とはなんなのか、考えさせられる一冊になっている。
これまでスーパーに行っても日本の和牛を選ぶことはなかったが、生産者はどんな人だろうと考えながら食べるとまた違う気持ちになるかもしれない。今後色々と美味しいお肉探しをしてみたい。
最後に、本書は写真がなく、イラスト・スケッチがたくさん挿入されている。なぜなんだろうな、と思いながら読み進めたが最後までわからなかった。。あと、スケッチも交えながらの構成なので、電子書籍の場合はiPadくらいのサイズのデバイスで読むのが良いと思う。
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