以前から読みたいと思っていた一冊をようやく読み終えた。
『プロの撮り方 構図の法則』著者:リチャード・ガーベイ=ウィリアムズ
構図について、論理的に学ぶことができる。
なんのために撮るのか?から始まり、幅広い範囲にわたって解説が続く。
例えば、人間の目の動きや認知、脳の視覚情報処理について説明があり、だからこういう構図で撮ると、このような効果を得られる、といった具合に。文章を読む方向が左から右の国では、といった観点で、モノの動く向きも印象に影響すると。
これまで写真やカメラに関する本を読んできたが、初めて知る内容も多かった。
もちろん黄金比も出てくる。
黄金比にについてはこちらの記事を参考にしていただければ:黄金比はすべてを美しくするか?植物からモナリザから美人メイクまで、あらゆる場所に現れる魅惑の数字。ブログにも…
自然界に現れるフィボナッチ数列と黄金比。なぜ人間はそれを美しいと思うのか。そのあたりの考察も大変参考になった。なぜ人間は美に反応する能力を持っているのか。
写真の芸術性についても、興味深く読んだ。ただ現実を写すだけなら芸術ではないのか。それともそこに撮影者がいて、そのシーンを切り取るにあたり、露出を決め、構図を決めたらそれは撮影者の意思が入るわけであり、やはり芸術と言っていいのではないか。等々。
写真はそのアウトプットに撮影者の視点・意思が反映される。他の人の写真を見ることは他の人の世界を知ることでもあり、非常に面白い分野であると改めて思う。
そうやって見えて、そうやって表現するのかーと。
写真をどのように撮るか、見るか、考え方のヒントやきっかけを与えてくれる一冊。
これから構図や写真というものを学ぼうとしている人にはぜひお勧めしたい。3000円くらいするちょっと高価格な本ではあるが、得られるものは多いだろう。
写真に関する方についての記事
- 『人を幸せにする写真』ハービー・山口さんの本を読んで。写真について考えるきっかけに。(2022.2.13)
- 『木村伊兵衛傑作選+エッセイ 僕とライカ』を読んで。写真について考えさせられる一冊。(2022.11.15)
- 『瀧本幹也 写真前夜』を読んで。広告や写真を見る目が変わる一冊。(2023.4.30)