カメラの値段を考えるとき、機能が多い方が高そうである。その側面は必ずある。
一方、そうじゃないカメラもある。手ぶれ補正なし、オートフォーカスなし、動画撮影機能なし、70cmまでしか寄れない、ボタン数は最小限、でもカメラボディだけで100万円超、みたいな。
それでも買う人がいて、人気レンズに至っては入荷待ちになったり、憧れのカメラとして語られたりする。
カメラの値段はいわゆるわかりやすい機能だけじゃない。
じゃあ、なんだ、何にお金を払ってるんだと。
つくるときのコストにはさまざまな要素が入る。材料費、設計の人、組立てる人、品質管理の人たちの人件費。経理部門やその組織をマネージする総務部門、さらに営業パーソンの人件費もかかる。工場の建設費・維持費、広告費、etc.と挙げればキリがない。
価値に対して価格が高すぎればユーザーに使ってもらえない。一方で高くても、サービスに価値があると思えばユーザーはお金を払う。カメラに100万円とか払うのはぶっ飛んでる気もしつつ、事実買う人は一定数いる状況である。果たして僕は何に納得感を持って払っているのだろうか。
まずは、写真
カメラは道具。
写真を撮るためのツール。
撮れる写真が重要。
カメラによって、レンズによって撮れる写真が違う。これは驚くほどに違う写真になる。
カメラボディやシステム、レンズごとに個性があるので好みで選ぶことになる。オールドレンズまで範囲を広げれば夢が広がる。
これまで撮ってきた写真を見ると、「ああ、このカメラじゃなきゃこの写真の仕上がりになってないなぁ」と思うことがある。
また、カメラによってはタフさや機能を売りにしてて、それがあるからこそ撮れる写真もあるはず。このカメラだからこそあそこに持って行けて、あの写真が撮れた、みたいな。
僕はこの、撮れる写真にもお金を払ってると考えるといいのかなと思った。
一枚あたりに値段はつけられないけど、何万枚も写真を撮ればフィルム写真なら何十万円となることを考えると、今は撮ったものをデジタルで鑑賞する機会も多い時代なのであながちデジタルカメラに何十万円というのも納得できる範囲かなとも思える。iPhoneも最新機種は20万円に迫るレベルだが、すんごいカメラ・システムが搭載されていると思えば納得感なくはないかなと。
ライカはすんごい写真が出てくることがある。何年もSONYを使ってからライカに移ったけど「うお、ライカすげー」と思った記憶がある。
このカメラで撮った写真がいい、となってしまうとそれしか選択肢がない。お金の話じゃなくなってしまう。ライカはその突き抜けた何か、を持つカメラブランドだと思う。
ライカの写真は何が違うのか、僕なりに調べたり考えた記事はこちら;
Leicaは高いけど唯一無二。その写真を撮れるなら、その価値があると思うから、高くてもLeicaを使う。
撮影体験
シャッター音にこだわる。重要だ。
見た目のかっこよさ。それを楽しむ時間もカメラだ。
持ったときのしっくり感。自分の体の一部になるくらい使い込むのなら、フィーリングも重要。
システムのわかりやすさ、設定のしやすさや柔軟性も大事。
カタログに載る機能だけに注力して機能をたくさん盛り込んで高額のカメラを作ればいいというわけではない。
写真を撮ること、を考え抜かれたカメラは撮影体験を向上させる。
カメラがなければ写真は撮れない。いつも持ち歩きたくなるカメラは、いい写真を撮る機会を増やしてくれる。そこに価値がある。Fujifilmさんもそこに力を入れてる気がする。
そういったもの全てを考慮して「このカメラ、いいんだよ」と言いながら写真が撮れたら最高。
おわりに
一眼カメラは高い。特にライカは高い。でも、お金には変えられない特別な時間、写真をたくさん得られたし、カメラが手元にある限りこれからもそれが続く。カタログに記載されないこう言ったところの価値を改めて感じる次第である。ライカカメラももう少し軽くて、お求めやすい価格だと嬉しいけど、クオリティが落ちるくらいなら、引き続き徹底的にこだわったカメラを供給して欲しいかなとも思う。
ライカだけじゃなくて世界を見渡せば素晴らしいカメラを作るメーカーは沢山ある。自分に合うカメラに出会い、「このカメラは最高だ」と言いながら思うがままに写真を撮る、それが一番大事だと思う今日この頃。