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Summicron-M 50mm 3rd

マニュアルフォーカスで撮る理由。

2022-08-13Camera

カメラのお話。なぜマニュアルフォーカス(以下MF)で写真を撮りたくなるのか。

僕は撮る写真の9割はMFで撮っている。

MFしかできないレンズの場合はそもそもそれしか出来ないけど、オートフォーカス(以下AF)で撮れるカメラ・レンズでも積極的にMFを使う。動く子どもや、とにかく素早く撮りたいときだけAFを使う。

なぜだろうか。

主役を自分で定める

カメラのAF機能を使ったり、スマートフォンを使えば、目の前の光景を撮ることはできる。なんなら何も考えなくてもかなりキレイに撮れる。技術の進歩はすごい。

しかし、何も考えないで撮ると「何を撮りたいのか」が薄くなる。自分は何をいいと思い、目の前の景色をどう認識して、どの瞬間をどのように切り取りたいのか、を考えることがない。

そういう写真も有だと思う。おお、いい写真になったじゃんということもある。だから否定はしない。

一方、MFは考えないとフォーカシングできない。

「どこにピントを合わせたいのか」が必要になる。

被写界深度の浅いレンズ(f1.4とか)で合わせようとすると本当にピント面が薄い。

桜 道路

ポートレートだと顔が少し斜めを向いてたら、右目に合わせるのか左目に合わせるのかで違うレベル。どこにフォーカシングしたいのかを嫌でも考えることになる。

それは、この写真の主役は何か、その主役をどう引き立たせたいのか?につながってくる。

目の前の光景を、光をよく観察して、撮りたい人やモノをよく見て、MFでピントを合わせていくという動作がその写真を深くすることに寄与する。

カメラにフォーカシングを任せず自分で合わせにいくことで、よりその写真について考えることになる。ここにMFの魅力があると思う。また、色々考えながら撮っているとMFの方がしっくりくる。これがMFを多用する理由と考えている。

なお、全体をバキッと撮りたい風景写真や、被写界深度を深くしてピント合わせ不要となるf値を設定し瞬間を逃がさないよう撮影するケースを否定するものではないのであしからず…

テクニカルなポイント

上述が僕が感じるMFの魅力。

他にもウェブ上で解説される通り、以下のメリットが挙げられる:

MFなら正確に意図したピント合わせが可能

斜めを向いている顔を撮るなら、右目か左目か、カメラを撮るなら、レンズかボディか。タッチ操作でAF撮影機能もある時代だけど、絶妙なフォーカシングはMFの方が確実に意図した通りにできると思う。

オラフとオラフとクリストフ ズミルックス

ピントが合ってなくともシャッターを切れる

AFが迷ってシャッターを切れないこともあるので、ここもMFのメリット。

あえてボカして撮ることもできる。

sunrise 日の出 ホテルから

MFの弱点

何はともあれ正確なフォーカシングに時間がかかること。動く被写体は難しさが増す。

予測不能に動き回る子供をf1.4レンズでMFで捉えることはほぼ無理…

これでシャッターチャンスを逃すこともあるので、ここが大きな弱点かなと。

おわりに

AFで気軽にパシャパシャ撮りたいんです!

と言われたら「ですよね!」と返すと思う。

趣味で楽しむカメラならそもそも楽しくないといけない。そこは大前提。

ただ、もしMFの醍醐味をまだ実感していないとしたら。リングの回転と共にあのスーッとピントが合っていく瞬間を経験していないのだとしたら。

ぜひ、一度カメラの設定をMFに切り替えてフォーカスリングをゆっくり回して見てほしい。

記憶に残る写真が残せるかもしれない。

もしMFできるカメラやレンズをお持ちでないのなら…今はお求めやすいレンズも種類があるのでまず試してみてほしいなと思う次第です。

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Yo
エンジニア(Mechanical)。日々の生活や読書、仕事などから学んだことをまとめます。
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