ライカレンズで撮影するときに得られる独特の描写。不思議な立体感はどこから来るのか?
フォーカス部のシャープさとアウトフォーカス部のボケ具合だろうか…
レンズについて調べまくっていた際に複数箇所に記載を見つけたのでメモしておこうと思う。
以下はライカのウェブサイトでApo-Summicron 35mmの記事にあった説明。
フォーカスが合った部分のコントラストは高く保たれ、アウトフォーカスの背景はコントラストが絶妙なバランスで抑えられることで、立体的な描写を実現しています。
ライカ アポ・ズミクロンM f2/35mm ASPH. インプレッション by Leica Store Staff
もう一つはインタビュー記事。
ピーター・カルベ氏によるライカSLレンズ プレゼンテーション VOL.1
記事途中で出てくる、横軸ピント面・縦軸コントラストのグラフ。アポ・ズミクロンSL35mm F2.0 ASPH.とズミルックス M35mm F1.4 ASPH.を比較したものだが、ここで立体感が言及されている。
キーワードはコントラストなのだろうか。
ライカQ2は周辺光量落ちを感じない。しかし立体感を感じる。
だから周辺減光だけで立体感を生み出しているわけではないと思う(トンネル効果で中央部の被写体を引き立てる効果はある)。
ボケが大きいから立体感を感じる、という理屈なら世の中にあるF1.4のレンズは皆ライカ並みの立体感を感じられるはず。しかし違う。ライカレンズには独特の3D感がある(もちろんライカ以外のレンズに3D感がないわけではない)。
上記リンクの二つの記事を読む限り、フォーカス部のコントラストとアウトフォーカス部のコントラストにヒントがあるようだ。
どういうレンズ設計してるのか知るよしもないが、ライカは設計して、意図してあの立体感を作っているのだろう。
コントラストの調整に加え、合焦部のシャープさとアウトフォーカス部のボケ具合、周辺減光、F値の小ささなど、複合要因で作られているのかもしれない。
カメラボディ側で何かやってるのかはわからないけど、でもやはりレンズが重要と思われる。
他のメーカーのレンズではライカほど語られることがないように思う。難しいのか、コストに見合わないのか。そもそもやろうとしてないのか、気になる。
スマートフォンが画像処理でコントラストも含め絶妙なコントロールをしてライカのような写真を作り出す日が来るのだろうか。はたまた一定以上の口径を持つレンズじゃないと難しいのか。
もしくは写真に対する哲学の有無が重要か。
急速に進化するスマートフォンのカメラ機能。数年後どうなっているのか楽しみではある。
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