「どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール」を読了した。
どこでも誰とでも働いてきた、働いている、尾原和啓さんという方の本だ。
これからの時代は1つの会社でずっと働くという可能性は少ない。
寿命は延びて、仕事に携わる期間は伸びる。一方、変化の激しい時代であり、何十年も続く会社の数は減っていく可能性がある。
どこでも誰とでも働けるようになっておく、これはとても重要なことであると思う。
すでにこれを実行してきた方は何を語るのだろうか。
この本がオススメな方
基本的にこれから仕事を長くしていく可能性のある人全てにオススメできる。
もしかしたら70歳、75歳でも仕事をして輝くのが当たり前の時代がくるかもしれない。そう考えると、40代、50代で読んでもいいくらいじゃないかなとすら思う。以下に記載されている①は特にどんな会社にいても大切なことなので。
さて、本書のタイトル「どこでも誰とでも働ける」には、2つの意味があります。
1つは、①どんな職場で働いたとしても、周囲から評価される人材になるということ。
そしてもう1つは、②世界中のどこでも、好きな場所にいながら、気の合う人と巡り会って働けるということです。
大きな会社の社内で異動する際も一緒かなと。
そういう意味では誰が読んでも気づきを得られる、そんな一冊かもしれない。
とくに響いた内容
心にささることばが多かったが、特に響いた内容をメモしておく。
自分は何をギブできるのか?
どこの職場にいっても何かをギブできることが大切。
ぼくは、「ギブ&テイク」ではなく、さらに一歩進めて、「ギブギブギブギブギブ&ギブ」でちょうどいいと思っています。
これはうんうんとうなった。
ギブ&テイクは意識するようにしているけど、ギブ×5 & ギブほどまではいってなかった。
ぼくは新人の時にベテランの方に言われた「新人だからって教えてもらってばかりいちゃだめだからな」というセリフがずっと頭に残ってる。
新人のときは何か貢献できるものがないかいつも考えていた。なんでもいい。最初に仕事をした現場の方はパワーポイントが苦手だったり、計算が苦手だったり、探すと困っていることは結構あった。学生時代に卒論作成や発表で磨いたスキルがそのときは役立った。オフィス関連で困ったことがあれば手伝いますよ、と。
とにかくギブする。人の役に立つ。世の中をよくするために行動する。
このマインドが結局どこでも働ける人になる上で大切。
ベテランになっても大事なのかな、と。
この本ではこれを丁寧に言語化してくれていた。とてもしっくりきたと共に、改めて世の中の人々や組織に貢献するマインドが大切かなと再認識した。
うん、これだ。大事なのは、これ。
ちなみにブログを書くこともギブすることの一つ。今後も継続していく。
自分の名前で生きる勇気
次に唸った表現が、「自分の名前で生きる勇気をもつ、ということ」。
会社の肩書はおいておいて、自分はなにができてどのような貢献ができる人間なのか。
ここをしっかりと整理しつつ、自分の得意なことを伸ばし、世界で通用する実力を身につけていく。
常に世界志向である必要があるのかな、と思った。
マッキンゼー、Google、リクルート、楽天などで仕事をした人が語る、どのような意識をもって各社で仕事に取り組んできたのか?も参考になった。そういった場で、一人の人間としてどのように貢献することを考えていたのか、はとても勉強になる。
その他に学べること
会議運営のヒントなんかも学べるし、議事録の取り方も参考になる。
転職に対する考え方、今風というか、今後こうなっていくんだろうな、という気づきもあった。
「いつでも辞められる」から最高のパフォーマンスを発揮できる。
今後、会社と会社員とはこのくらいの緊張感ある関係になるといい。会社は優秀な社員に残ってもらえるように取り組む。社員は常に上を目指してがんばる。
ぼくはこういった環境になっていくことを歓迎したい。そうじゃないと世界と戦っていけないので。
おわりに
この本は若い人だけでなく、一つの会社に長くいる人にもささる部分が多いはず。
変化のスピードがますます大きくなっていく現代。
同じ会社にずっと勤めるというのはレアになっていくだろう。
そんな世の中において自分がどうやって生きていくのか。
どうせ厳しい世界を生きるなら、スキルを身につけつつどうやって楽しみながら仕事をしていくか。
人それぞれ強みは違う。だから答えも生き方も異なる。
本書に書かれている内容全てを実践するのは難しいとは思う。
でもこれからはこういう時代が来る可能性がある。そう思いながら日々を過ごすことが大切。
日々の仕事への姿勢だったり、自分はなにができる人間なのかを見つめ直すことだったり。
多くの人に考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。
オススメです。