タスマニアはオーストラリアの南方海上にある島で、世界一空気がきれいな場所とも言われ、美しい大自然と街並みをのんびりと楽しめる場所である。
気候は春夏秋冬があるが、夏でも比較的涼しいので旅行で訪れるなら12〜2月の夏がおススメ(南半球は季節が逆)。
僕ら(当時は夫婦2人)がタスマニア訪れたのは2016年の12月上旬。本当にいい時期のタスマニアを楽しむことができた。
旅のテーマは、5日間という旅程の中でレンタカーを駆使して移動しつつのんびりとすごすこと。今回の記事では、僕らの旅程を紹介するので、今後旅行を検討する方に参考にしてもらえれば幸いである。
旅程の組むにあたっての考え方
まず絶対に行きたかったのがクレイドルマウンテンとクレイドルマウンテンロッジ。大自然とともにそこに暮らす動物たちに出会い、余計なことは忘れてゆっくりすごす、これがこの旅のメイン。
次に外したくなかったのが州都ホバート。規模の大きいサラマンカマーケットはぜひ訪れたいと考えた。
そしてもう一つがフレシネ国立公園。美しいワイングラスベイで有名な場所で、オーストラリア旅行のウェブサイトやガイドブックにも必ずリストアップされている。
これら3箇所をまず決めて他にどこに寄るかを決めた。続いて利用する空港を選定。タスマニアには空港が3つあって(Hobart, Launceston, Devonport)、旅のルートと飛行機の発着タイミングを勘案しながら以下のルートとした。
旅のルート(実績)
ルート:
- Hobart Airport(ホバート空港)
- Hobart(ホテル:Wrest Point)
- Richmond(リッチモンド)
- Ross(ロス)
- Freycinet National Park(フレシネ国立公園)
- Launceston (ロンセストン)(ホテル;Auldington)
- Tamar Valley(タマーバレーでワイン農園めぐり)
- Cradle Mountain(クレイドルマウンテン)
- Devonport Airport(デボンポート)
ちなみに、当初予定ではリッチモンドを出発した後に東海岸ルートを使ってフレシネ国立公園に向かう予定だったのだが、道を間違えて内陸ルートを走ってしまった。途中で予定を変更し、ロスに先によってからフレシネに向かっている。
ホバートを出発地点とした理由
ホバートのSalamanca Market(サラマンカマーケット)は土曜日のみの開催。僕らの旅の初日が土曜日だったので、出発地点をホバートとしている。
移動手段
移動手段はレンタカーとした。ツアーよりも圧倒的に旅程の自由度が高まる。さらに旅先でも気分や天気次第で行き先を柔軟に変更できる。行きたい場所に行きたいときに行き、すごしたいように過ごす。これがレンタカーなら可能。
オーストラリアは日本と同じ左側通行なので、ぜひレンタカー移動も検討してみてほしい。
到着をホバート・出発をデボンポートとしたので、レンタカーはホバート空港でピックアップし、デボンポート空港でドロップできるよう予約。
レンタカーは需要が高いので早めに予約しておくことをお勧めする。
行かなかった場所
タスマニア島は見所が多く5日間では周りきれない。冒頭で述べた通り、今回の旅は大自然を楽しみつつゆっくり過ごすことだったので、優先順位をつけて以下の場所には行かなかった。
- Port Arthur
- Mount Field National Park
- West Coast Area
- Lake St Clair area of the Cradle Mountain-Lake St Clair National Park
- etc.
ガイドブックやウェブサイト等を参考にぜひ自分に合う旅の行き先・ルートを検討してほしい。僕の旅行記が少しでも参考になれば幸い。
それでは、ここからは各日の記録を写真とともに振り返っていこう。
初日 ホバート
初日のスケジュール:
- ホバート空港に到着。レンタカーをゲット
- サラマンカマーケット(土曜日のみ開催)へ移動
- ケリーズ・ステップを通ってバッテリーポイントを散策
- ウェリントン山からホバートの街を一望
サラマンカマーケット
空港に到着したらレンタカーを借りて早速ホバートのサラマンカマーケットに向かう。サラマンカマーケットの開催日は毎週土曜日、8:30-15:00。
アウトドアのマーケットは街に彩りや音楽を与え、活気溢れる空間をつくりだす。美味しい食べ物も揃っていて歩くだけでも楽しめる。ノリノリの音楽を奏でているところがあって、ついつい立ち止まってしまうことも。
思っていたよりもマーケットの規模が大きくて、周り切るのも大変なくらいだった。
小物を取り扱っているお店やお土産屋さんも豊富。
Kelly’s Steps(ケリーズ・ステップス)とBattery Point(バッテリーポイント)
バッテリーポイントは古い建物が今も残る雰囲気あるエリア。サラマンカからバッテリーポイントに行くために、ケリーズ・ステップを通って向かう。
ケリーズ・ステップの入り口。
表示には「5MIN TO BATTERY POINT」とある。徒歩5分程度。
雰囲気のある階段を登っていく。
バッテリーポイントのエリアにはお洒落なショップやレストラン、住宅街が立ち並ぶ。
訪れた季節が良かったのか、バラも美しく香りもステキだった。
ホバートの街並みを感じることができるオススメの散策ルート。
Mount Wellington(ウェリントン山)
一度宿に戻り、レンタカーでウェリントン山を登る。ウェリントン山にはホバートの街を一望できる展望台がある。ホバートの中心地から車で30-40分程度なので、時間に余裕があれば訪れてみよう。
ウェリントン山には展望ポイントが設けられていて、ここで記念写真を撮っている人たちもたくさんいた。
天気があまり良くなかったのが残念だけど、晴れの日はもっと素晴らしいに違いない。風が強くてちょっと寒いくらいだったかな。
初日はここまででおしまい。宿に戻って夕食。
2日目 リッチモンド、ロス、ワイングラスベイ
2日目のスケジュール
- ホバートを出発しRichmond(リッチモンド)へ。Richmond Bridge周辺を散策し朝食
- Ross(ロス)でおしゃれなカフェに立ち寄る
- Freycinet National Park(フレシネ国立公園)に向かう途中で昼食
- Wineglass Bay(ワイングラスベイ)を一望
- Launceston(ロンセストン)へ移動し夕食
リッチモンド
リッチモンドはホバートから車で30分ほどの場所にある街。
ここにはリッチモンドブリッジという橋があり、オーストラリアで現在使用されている最も古い橋とのこと。
朝の落ち着いた雰囲気のなか、フレッシュな空気をたっぷり味わいながらの散策はとても気持ちがいい。
鳥たちもご機嫌なようだった。
朝食はリッチモンドブリッジから徒歩で5〜10分くらいのところにあるThe Richmond Bakery(リッチモンドベーカリー)。
外席もある広いカフェで、美味しいコーヒーとパンを味わえる。
店内も広くておしゃれな場所だった。
天気のよい朝に食べるクロワッサンとカプチーノは最高の組み合わせ。
ロス
タスマニア内陸の道はこんな感じでひたすらだだっ広い草原の中を突っ走っていく。
オーストラリア大陸の内陸、ウルル(エアーズロック)周辺はひたすら茶色い土と岩の景色だったけど、タスマニアは緑と青(池)の連続が美しい場所だった。
途中で羊を見つけてはオーストラリアを感じつつ、次の街ROSS(ロス)に立ち寄る。
ここで有名なのはRoss Village Bakery。
小さな街にたたずむベーカリー。素敵なお店でそれだけでも訪れる価値があるのだが、ここが有名な理由は他にある。
このお店はジブリ映画「魔女の宅急便」の主人公キキが働いていたパン屋のモデルになっていたとかいなかったとか。。
店内にはこんな記事も飾られていた。
興味がある方はドライブの休憩がてら立ち寄ってみたらよいかなと思う。
フレシネ国立公園へ
続いてフレシネ国立公園に向かい、途中で見つけたレストランでランチをとる。
タスマニアで食べるご飯はどれも美味しくて。このお店で食べた牡蠣も素晴らしかった(Googleで調べる限り2019年現在このお店は閉業してしまった模様)。
さて、2日目のメインアクティビティはワイングラスベイを眺めること。フレシネ国立公園に入るには入り口でまず入場料を払う(当時確か24AUDくらいだった)。
駐車場で降りてワイングラスベイの展望ポイントまで、徒歩で往復約1.5時間。ワイングラスベイまでだと2.5時間程度。山を登ったり降りたりというルートだけど、険しい道ではなかった。
美しいホワイトビーチは一見の価値あり。
この旅では2日目のうちにロンセストンまでたどり着く必要があり時間が限られていたのもあって、今回は展望ポイントから眺めるだけとした。このビーチを目の前にしてしまうと、正直浜辺まで降りて歩いてみたい気持ちも強くなった。このエリアで1泊してじっくり楽しむのもアリだと思う。この辺りの旅の計画はじっくり練っておくとよい。
さて、この公園付近のビーチに立ち寄った際に、この旅初めてワラビーに遭遇。
普通にちょっとした場所でワラビーに出会えたりするのがオーストラリアの魅力。
3日目 ロンセストンからクレイドルマウンテンへ
ロンセストンはタスマニアで2番目に大きな街。3日目はこの街からスタートする。
3日目のスケジュール:
- ロンセストン市内を散策、朝食
- Cataract Gorge(カタラクト渓谷)を散策
- Tamar Valley(タマールバレー)周辺をドライブ
- クレイドルマウンテンへ移動
- Christmas Hills Raspberry Farmで休憩
- Melita Honey Farmに立ち寄る
- クレイドルマウンテンビレッジに到着
ロンセストン市内
ロンセストンを散策してみると、思ったよりも大きな街だなという印象。
雰囲気ある古い建物もたくさん残っている一方、オーストラリアでよく見かけるモールもあったりと、普通に大きな街だった。
朝食は口コミで評判の良かったカフェ。この旅ではステキなカフェを巡るのも楽しみの一つ。タスマニアにはお洒落なカフェにたくさん出会う。
カタラクト渓谷
ロンセストン中心地から車で5分の場所にカタラクト渓谷はある。
ここでは街の近さからは信じられない自然豊かな景色が広がっていて、ロンセストンに訪れるなら必ず立ち寄りたい。
こんな大自然が都会の近くにあるなんて、本当に羨ましい。小学校の課外活動なのか、ちっちゃい子達が先生に連れられて歩いているシーンもみかけた。
東京で育つのと、ロンセストンで育つのと、どっちが幸せなのかなぁと思ったり。
チェアーリフトもある。
街から近いので散策しにきたり、運動をしにきたり、ピクニックに来たり、と過ごし方はいろいろ。ロンセストンに行くならこの渓谷にぜひ立ち寄ろう。
Tamar Valley
続いてタマールバレーをドライブ。ワイナリーがあちこちにあるエリアで、美しい景色を楽しめる。この写真はBradys Lookoutという展望ポイントから撮影したもの。
Tamar Riverとぶどう園の織りなす景色は緑いっぱいで素晴らしかった。
ぶどう園に立ち寄るのもおススメ。レンタカーでの移動なのでワインが飲めないのがとても残念。
ラズベリーファーム
タマールバレー周辺をドライブした後、クレイドルマウンテンに向かう。
道中に立ち寄ったのはChristmas Hills Raspberry Farm。
ここも景色が綺麗な場所で、敷地内に散策する歩道もあるので、休憩がてら立ち寄ってもよいと思う。
食事も可能で、僕らはラズベリーサンデーとティーをいただいた。
お土産でラズベリージャムも購入。
MELITA HONEY FARM
続いて立ち寄ったのはハニーファーム。クレイドルマウンテンへ移動する途中で立ち寄ることができる。
多種のハチミツが置いてあってテイスティングをしながら好みのハチミツを選ぶことができる。お土産に何か買っていくのもよい場所。
いよいよ旅のメイン、Cradle Mountain
3日目はCradle Mountain Wilderness Village(クレイドルマウンテン ウィルダネスビレッジ)というコテージに宿泊。
ここはキッチンのある宿で、この日は街で食料を買って自炊。
一通り準備を整えた後、夕方ドライブでクレイドルマウンテンを走ると。。。
その辺に普通にワラビーが!
車を降りてながめていたら
いきなりケンカ?(遊んでる?)を始めるワラビーたち。
構えてスキを伺っては取っ組み合い。。。
まぁ仲が良いんだなと。。。
すると今度はすぐ近くにウォンバットを発見!
ウォンバットは全然逃げなくて、かなり近くによっても普通にてくてく歩いていた。とても印象的な動物たちとの出会いの後、Dove Lake(ダブ湖)へドライブ。
夕方のDove Lakeはとても静かで落ち着いていた。
オレンジに染まった雲と山々(時間は8:30PM)。
徐々に山は黒いシルエットだけに。
星を眺めながらただただ静かな場所で過ごす贅沢さ。
最高の締めくくりで3日目はおしまい。
4日目 クレイドルマウンテンを散策
スケジュール:
- ビジターセンターにて朝食
- シャトルバスでDove Lakeへ移動
- Dove Lake周辺を散策
- BOARD WALKのためバスで移動、遊歩道を散策
- クレイドルマウンテンロッジにて贅沢な時間を過ごす
4日目の朝食はCradle Mountain Visitor Centreにて。ここのインフォメーションセンターにはカフェがあって、コーヒーと朝食をとることができた。
自動車でDove Lakeまで移動する予定だったけど、混雑度合いによって車での入場が制限されることがあってこの日も制限されていたため、バスで移動することになった(バスは20分おきくらいで出ている)。
ちなみにこの日の最高気温は13℃、最低気温は5℃。夏でもクレイドルマウンテンではこのくらいの気温になるので、冬用で動きやすいウェアを必ず持参しよう。
DOVE LAKE(ダブ湖)
シャトルバスの終点はBUS STOP 5 Dove Lake。ここで降りて散策をスタート。
案内看板にあるように、Dove Lake周辺には各種散策ルートがある。難易度や距離によって適切なルートを選定しよう。
とにかく美しい景色の連続。ただし気候は安定せず、雲で覆われたり晴れ間が出たり。
BOARD WALK
BUS STOP 5でシャトルバスに乗り、次はBUS STOP 4で降りる。ここでは遊歩道散策を満喫。
綺麗な空気を吸い込みながらの散策は最高。ウォンバットにここでも出会うことができた。
十分に散策を楽しんだあと、クレイドルマウンテンロッジに移動。
Cradle Mountain Lodge
4日目の宿泊地はクレイドルマウンテンロッジ 。この旅で最も楽しみにしていた宿。
クレイドルマウンテンロッジの魅力はここでは語りきれないため、別記事を書きたいと思う。
コテージで過ごす時間は最高だったし
敷地内で出会った動物たちは最高にキュートだった。
宿泊費は高いかもしれないけど、強くお勧めしたい宿の一つ。
5日目 旅の最終日
最終日のスケジュール:
- クレイドルマウンテンロッジ周辺を散策
- 10時チェックアウト、Devils@Cradleへ
- 11:30にCradle Mtを出発し、13:20にデボンポートへ到着
- デボンポートで昼食、空港へ
朝はクレイドルマウンテンロッジ周辺を散策。
名残惜しさもありつつ、ロッジを出発。
Devils@Cradle
クレイドルマウンテンロッジからすぐの場所にDevils@Cradleという施設がある。
ここではガイドツアーに参加できて、タスマニアンデビルの生活や習性を学ぶことができる。伝染性の癌により絶滅の危機に瀕しているタスマニアンデビルに対し、この施設がどのような対応を図っているのか、ツアーで解説してくれた。
正直、施設に訪れるまで僕は勘違いをしていた。ここはタスマニアンデビルを見ることができる動物園のような場所ではないか、と。
でも訪れてみてわかった。ここは野生の動物をどのように守るのか、長期的な視点で取り組んでいる施設だった。事前に施設について調べておくとより充実した訪問になると思う。
タスマニアンデビルだけではなく、Quoll(クオル)という珍しい動物もここではみることができる。
デボンポートへ移動
クレイドルマウンテンから降り、最後の街となるデボンポートに向かう。デボンポートでは特に予定はなかったため、ウェブで評判のよかったLaneway Cafeで食事をとりつつ時間を過ごした。
オーストラリアのカフェはどこもセンスがよくてコーヒーも食事も美味しい。カフェ好きにはたまらない旅行先だと思う。
昼食後、デボンポート空港まで移動しレンタカーをドロップ。そして飛行機でタスマニアを出発、メルボルンの空港へ…
おわりに
5日間のタスマニア旅行は本当に充実した日々だった。
美しいクレイドルマウンテン、世界一キレイな空気といわれる場所を散策するのはそれだけでいいリフレッシュになった。
ワラビーがケンカ(じゃれあっている?)してるシーンを見かけてテンションあがったり、すぐそこにウォンバットが歩いていて草を一生懸命食べていたり、クレイドルマウンテンロッジの敷地内をあるいていたら超キュートなワラビーに出会ったり、日本では経験できないシーンにたくさん出会った。
大自然だけではなく、各々の街も落ち着いていてキレイでいいところばかりだったな、と。
最高のリフレッシュになった旅。
東京とは全く違う世界。
タスマニア、もう一度訪れたい。
レンタカーで巡るタスマニア旅行、これから計画する方にとって僕の旅行記が参考になれば幸いです。
写真はすべてYoが撮影したもので、Sony α7 + キットレンズ もしくはiPhone 6で撮ったものです。
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