どこかで勧められていたのを見ていつか読みたいと思っていた本、「STARTUP(スタートアップ):アイデアから利益を生みだす組織マネジメント」。
起業のHow Toをまとめた本ではなく、小説形式で起業のポイントを伝えるという斬新なコンセプト。
「スタートアップを真に学ぶ方法は一つしかない、起業家自身が失敗・成功を経験することだ」 と著者ダイアナキャンダー氏は断言する。
僕らは小説を通じて、主人公オーエンが歩む道を追体験することができる。
多くの起業家が陥る失敗、見落とし。それらを学ぶ。
How Toを知っておくことはもちろん大切だけど、実践から得た知識と経験に勝るものはない。
小説形式で勉強するのはその中間だろうか。
大きな金額を突っ込む前に、様々な観点で起業のリスクと失敗パターンを心得ておくことは極めて重要。この本はその点をしっかり述べてくれる。

最初ポーカーのルールの説明が出てきてなんのことかと思ったけど、ストーリーがポーカーの大会と密接に結びついているからだった。
僕が読む前に勝手に想像していた流れと全然違ったストーリーだったが、いい意味でそれも新鮮だった。
最初は探り探り主人公オーエンの体験を追っていきながら、気がついたら物語に吸い込まれ一気に読みきってしまうだろう。
気づき
さて、読み終わってみて、一つ感じたことがある。
最近読んだ以下の2冊から学んだことと同じことが強調されている、ということ。
- 永江一石さんの「金がないなら頭を使え 頭がないなら手を動かせ」
- DaiGoさんの本「人を操る禁断の文章術」
オウンドメディアやコンテンツの拡充を行うときは「誰に対して」「何の目的で」をよく考えて、最も効果の高い戦法を選択すべし
「金がないなら頭を使え 頭がないなら手を動かせ」
どんな人が読むのか。読んだ人にどう行動して欲しいのか。つまり、ワンメッセージ・ワンアウトカムがきちんと効果を発揮するためには、「誰」が読むのかの確認と分析が欠かせません。
人を操る禁断の文章術
顧客と顧客ニーズが第一、自分のビジョンは二の次で構わない。オーエン、それこそ私がスパークシスで学んだ教訓の一つなの。
STARTUP アイデアから利益を生みだす組織マネジメント
誰かに何かをしてもらう、という基本において、常に相手(お客様)あってのことであるということ。
本質は同じ、ということだと思う。
なお、STARTUPでは、顧客が何に困っているか、何を求めているかを確認するための具体的手段にまで踏み込んでいる。
そのあたりはぜひ本を読んでほしい。
まとめ
ビジネスをする、人にお金を払って何かを買ってもらう、それらは商品やサービスの種類によって多くの違いがあるのだろうが、一つの共通点がある。
それは相手があるということ。お金を払ってくれる人がいるかどうか。
昔読んだP.F.ドラッカーさんの本にも確か同様のことが書いてあったかも。
それを意識したって成功は約束されないのだろうけれど、意識しなければかなりの確率で失敗する。当たり前だけど忘れがちなのかも。
物語の中でオーエンはその失敗をしてくれている。
僕は今起業をするわけじゃないけれど、将来何か立ち上げたいと思い立ったときはまたこの辺りの本を読み直すかな。
いつの時代も本質は変わらないだろうから。
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