Professional Engineer(以下PE)というアメリカの資格がある。アメリカの各州ではライセンスされたエンジニアしか従事できない技術的な業務も定めらているとのこと。
業務で必要な資格の一つになっている。
公共性が高く、人々の安全に関わるような設備や建物などの設計の品質をどのように担保するかというのは重要なポイント。ここにライセンス・資格を設けていると思われる。
このプロフェッショナルエンジニアという資格を持つということは、国際的にエンジニアとして認められているとも言える。
海外でエンジニアとして活躍したい。こう考えるようになって、この資格を目指したいと思うようになった。
今日の記事はその最初のステップのFE試験の受験申し込みまでの詳細メモについて。(2019年申込時の情報です)
取得に当たっての概要・全体感
まず大切なのは受験資格。誰でも試験を受けられるわけではない。工学士の称号が必要、すなわち工学系の大学を卒業している必要がある。
受験資格審査を通過したら、FE試験(Fundamentals of Engineering)を受ける。
その後、PE試験を受験。これらは日本でも受験可能。
ここで終わりではなくて、試験に合格しただけではまだPEを名乗ることができない。
PEを名乗るためには、各州に登録する必要があって、その際に推薦状などが必要になる。
取得にあってのハードルは高いのだが、だからこそチャレンジする価値がある。一歩を踏み出さなければいつまでたっても目指すところに到達できない。
さて、この資格にチャレンジするにあたり、あまり情報がないので、自分の経験談をまとめておこうと思う。これから受験するので、取得できるかどうかもわからないが、失敗したらそれはそれで貴重な経験談かなと。
FE試験受験のための全体的な手順
- 日本PE・FE試験協会(JPEC)に願書を提出する
- JPECから審査通知を受領
- NCEES(全米エンジニア試験協議会)のウェブサイトに登録
- NCEESのウェブサイトからFE試験に登録
受験資格
まず工学士(Bachelor of Engineering )を有する必要があるため、日本の大学でいういわゆる工学部を卒業する必要がある。
理学系の学部だと工学学士Bachelor of Engineeringの卒業証明書が得られない。数学科や化学科の場合、理学士(Bachelor of Science)となるため、そもそもPE試験の受験資格がないということになる。たとえ就職して会社で工学系の仕事をしているとしても。
大学によっては理工学部という名称で、その中の学科名によっては判断が難しいこともあるそうで、単位を取った科目等で判断されることもあるらしい。
日本PE・FE試験協会(JPEC)での審査が必要なのは、おそらくこのあたりの微妙なケースを配慮してのことだと思われる。
僕は幸い機械工学科を卒業しており、いわゆるEngineeringを学んできたため、この辺りを心配する必要はなかった。
FE試験申込みの手順詳細
1. JPECへ提出する書類の作成
まずJPECのウェブサイトへアクセスしよう。申請用書類のWordファイルをダウンロードできる(トップページ—>試験情報—>FE試験(一次試験))。
受験申込みにあたって細かい指示・注意事項があるので、ウェブサイトにある試験案内をよく読むこと。
英語版と日本語版を作成し、サインをしたものを郵送する。
費用:22,000円
必要なもの:
- 大学の卒業証明書、成績証明書が必要(両方英文のもの)。この取得に時間がかかったりするのでスケジュールに余裕のない人は注意。
- 5cm×5cmという証明写真も必要。
- また、なぜわからないが日本語フォーマットでは年金番号も必要。
- 出願料支払済の領収書のコピー
これらを揃えて書類を記入し、JPECへ送付すると、レターで審査結果が返ってくる。
審査の結果受験が許可されると、次はNCEESのウェブサイトでMy NCEESの画面から自身で登録することになる。
NCEES(全米エンジニア試験協議会)への登録
ここからは全て英語での対応となる。まずNCEESのウェブサイトにアクセスする。
MyNCEESに登録するとログインできるようになる。
ログイン画面の「Exams」からRegister for an examを選択。ここから詳細情報を入力していく。
Contact Informationで住所や連絡先を入力したり、Education Informationで大学名や入学・卒業年を入力する。
試験タイプを選ぶ。FE試験なので、Fundamentals of Engineeringを選択。
受けたい科目を選択。機械の場合、FE Mechanical。
Partner Boardは選択肢の中にJPECがあったのでそれにした。
教科書安く買えるよ、と出てくるのだけど、とりあえずカートに入れず進めた。
そこから少し進むと支払いとなる。
そのPrice、200USD。クレジットカードを登録し支払い。その当日に「NCEES Order Receipt」というe-mailが届いた。
これらの手続きが終わり、ダッシュボードに戻ると、FE試験の情報が表示されていた。
「Pending Board Approval」とのことで、協会側の確認待ち。
翌日、「NCEES Exam Ready to Schedule」という題目のメールが届く。本文には「Congratulations! You have been authorized to take the FE mechanical and are now eligible to schedule your exam appointment.」とありがたいお言葉。頑張りますよ。
その後MyNCEESにログインしたらダッシュボードの情報が更新されていた。
MyNCEESからFE試験の申請、試験日の確定
MyNCEESのDashboardのRecent Itemsが更新されたら、「Schedule」という青いボタンが現れる。
ここから別のサイトに飛んで、試験開場と日程を選択することができるようになる。
日本だと東京と大阪が選択可能。FE試験の日程は8,9,10,11,12月….とほぼ毎月あった。
3ヶ月の勉強期間をとって、今回11月に受験を申し込み。
ここまで来れば後には戻れない。しっかり勉強して、試験にのぞむ。
おわりに
今回の記事はPE試験を受験する流れのうち、FE試験受験までの手順を残しておいた。
用意する書類が多く、思いのほか時間がかかるので、注意しよう。
FE試験に関する記事
- FE試験受験。感想と、もう一度受験するかもしれない自分へのアドバイス(2019.11.1)
- FE試験(Mechanical)合格までに使用したテキスト・問題集、計算機などの紹介。どのように勉強したのか、も。(2019.11.9)