小説『777 トリプルセブン』を読んだ。
伊坂幸太郎さんシリーズではお馴染み?の殺し屋が出てくるお話。
ネタバレするつもりはないが、中身を全く知らない状態で読みたい方は本記事は避けていただければ。
読んでの感想
舞台はホテル。物語は複数の視点で進んでいく。
僕は、天道虫こと七尾視点を物語の中心にイメージしながら読み進めた。
七尾はただエレベータを降りてホテルから外に出るだけだったのだが…
運の悪い彼がスムースに外に出られたのかというと期待を裏切ることなく…
各々仕事を請け負った業者の方々が登場し、各所でバトルを繰り広げる。
場面が頻繁に切り替わり、スピーディに展開が変わる。この小説のスピード感はなかなか。あっという間に読み終えてしまった。
あまり人が死んでいく物語は好きではないが、伊坂さんの小説は不思議とさっぱりしたところがあり読めてしまうのが不思議なところ。
それよりもいつものテンポよい会話、ときに登場人物たちが話す示唆に富む内容、そちらの方が心に残る。
最後の伏線回収、さっぱりとした読了感、伊坂さんの小説が好きな方はいつものエンターテイメントとして駆け抜けて読める一冊と思う。
読後、エレベーターに乗る際は緊張感を持って乗ることになるだろう。。
さて、伊坂さんの小説はメッセージ性を感じるところが好きで、ときおり出てくる生き方に関するものだったり、政治や世の中の仕組みに対するものだったり、この小説もところどころでそういったものを感じた。
久しぶりに伊坂さんの小説を読んでまた気づきをもらったなと。
梅の木が、隣のりんごの木を気にしてどうするんだよ
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