日本には定期異動でそれなりの人数をぐるっとローテーションさせる企業が一定数あるのではないか。JTC(Japan Traditional Company)と呼ばれる企業の多くはそうかもしれない。
経営者になる人はいろんな部門の経験をすることに意味があると思う。
海外の人たちはこんなんやってるのか?と思っているかもしれない。以前外国人の上司に説明したときはあまり理解してもらえなかった。
僕「日本の古い会社は定期的にぐるっとポジションチェンジをすることが多い。自分もこの度異動で戻ることになった」
上司「なんでだ?まだ仕事があるんだから戻る必要ないじゃないか。今から変更して何ヶ月か延長できないのか?」
僕「玉突き異動だから直前に一つピースが崩れると大変な影響があるんだ、戻らなきゃいけない」
上司「何日かもダメなのか?月末から出張に行ってもらいたいのだが」
僕「1日付で戻らないといけなんだ..」
こんな感じのやりとりで。
メリットがあることは理解している。多くの職場を経験することにより視野や幅が広がる。色んな人と仕事をすることになり、学ぶことも増える。知ってる人があっちの部門に移ることにより部署ごとの連携が良くなったりすることもある。
しかしデメリットも大きい。引き継ぎが発生し、それだけで時間を消費する。
しかも短期間で引き継げる量はたかが知れており、課題の継続性が失われる。やることになっていたはずの業務が止まってしまうこともあるだろう。
意思決定者が変われば方針も変わり、ちゃぶ台ひっくり返ることもあるはず。
挨拶回りみたいなことに丸一日使ったりして、あいさつする方もされる方も時間を持っていかれる。その時間を生産する方に使ったら稼げたかもしれないのに。
また、異動する人はどうしても引き継ぎやら引っ越しやらで今の仕事が手につかない。そしてやらなくても困ることがない。いなくなってしまうからだ 。「異動モード」と僕は呼んでいるが、こうなるケースをたくさんみてきた。僕自身もそうなっていたと思うし。否定できない。これは構造の問題と思う。
専門性がより進化し、表面だけを理解しただけでは世界で戦えない時代になってきた。
経営者になる専門性と、みんなそろってジェネラリストで育成、を混ぜない方がいいと思う。
新しいビジネスを立ち上げる、こういうケースにおいては、いろんな経験を持つ人が力を発揮しやすいのかもしれない。でも、そういう仕事ってどのくらいあるのだろうか。
少なくとも現在日本企業が過去のやり方で世界と戦えてないのは表面化しつつある。
企業が自ら変わることは難しい。一人一人が変わることにより文化が変わっていくことになると思う。世界と日本はどんどん近くなっているし。
僕はこういった日本企業文化から離脱したいと何年も前から感じている。
そんな時代もあったんだよ。そんなことを話す際にこの記事が使われる日を期待して。