風が吹けば桶屋が儲かる。という言葉があるが、何がどう繋がっているのか理解するのは大切。
原材料の価格変動も、この世界だという印象を持った。
原油や石炭価格が上がると…アルミニウムの値段が上がる?
ガソリン価格が上がったら牛肉価格が上昇?といった話。
※ガソリン価格が上がると、エタノール価格が上昇?—>するとエタノール向けトウモロコシ需要増加—>飼料需給逼迫—>育成コスト上昇で牛肉の値段が上昇?といったように考えるそうだ。
いやはや奥が深い。
「原材料の市場分析入門-新村直弘著」は、どうやって原材料の価格が決まるのか、何がそれに影響するのかを幅広く解説してくれる本。なかなか興味深く読んだので、紹介したい。
この本を買ったきっかけ
今年4月に原油の値段が猛烈に変動した。ETFに少し手を出したのだが失敗。もっと根っこにある原油の値段の決まり方を知らないといけないと痛感したのが、本書を購入したきっかけ。
よくわからないものを買ってはいけない。よくわかってないなら勉強しないといけない。これを突きつけられたのが2020年だった。。
本書の概要
モノの値段は輸送コストなども含めた形で決定される。
僕らが日本で何かを買うとき、何にお金を払っているのか、そこまで考えたことがある人はどれくらいいるのだろうか。
本書は、原油や液化天然ガス、金やプラチナ、穀物など幅広い分野を対象として網羅している。それぞれ特徴が異なりとても面白い。
また、それらをマクロからミクロまでの視点で解説。
世界の人口変化、天候変動要因、中東情勢やロシア情勢、新興国需要といった国際的な状況から、先物取引や各商品固有の値段の決め方など取引方法までも網羅されている。
原材料の生産や輸送に関わる独特の言葉の定義や、それらが必要となった歴史など、丁寧に説明してくれるのもありがたかった。
例えば、FOB(Free on Board 本船上渡し条件)。
「甲板の上に貨物を載せると、そこでコスト・費用・貨物輸送のリスクから解放される、と考えこのように呼ばれる」そうだ。こういう知識はこういう本を読まないと得にくいと思う。
本書がおすすめの人
この種の本を読んだことがない人で、株式市場などマーケットの世界に身を置いている人。さまざまな対象に投資を行なっている人にはおすすめ。
特に原油等ETFに手を出そうとするなら、自分のお金を突っ込む前に勉強しておくことをおすすめしたい(僕は痛い目にあったので)。
また、原材料価格で業績が大きく影響される企業は果たしてどのようにリスクヘッジをしているのか、変動した際に業績に与える影響はいかほどか。そういった視点で企業を眺めるきっかけになるのかなと思う。
少しマーケットの感覚を持っていないと難しいところがあると感じたものの、総じて何がどう繋がっているかを理解することはできた。
まとめ
多くのものを輸入に頼る日本。調達する製品の値段の変動は少なからず自分の生活にも影響する。
経済ニュースを見たり、マーケットに参加したりしている人は読むと色々と勉強になる本だと思う。