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これからの正義の話をしよう 哲学

これからの「正義」の話をしよう、という本の紹介。哲学を学ぶことが重要な時代になってきたと感じる。

2020-04-27Book,View

「哲学」という言葉はとてもとっつきにくい。

哲学の大切さ・おもしろさを理解するにあたってお勧めしたい本がある。

『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』著者:マイケル・サンデル

これは人生の中での殿堂入り書籍の一つ。

この本のいいところは、答えのない難しい問題を実例も交えながらわかりやすく紹介してくれること。

たとえば

例えば、誰か1人の犠牲があれば100人が救われるとして。そして幸せを数値化したらそのケースが最も幸せの値が大きくなるとして。

その一人を犠牲にするのは正しいのだろうか?

その一人に自分が選ばれたとしたら?

仕事で得た給料は自分のものである。どういう権利があって国はその給料に課税するのだろうか?しかも納得のいかない使われ方をする。汗水流して稼いだお金のうち少なくない割合を税金で持っていかれてしまう。なぜそれが認められているのか?

例えばマイケルジョーダンやビルゲイツはものすごい金額の税金を納めている。ものすごい努力した結果稼いでいると考えると、なぜ高い税金を課すことができるのか。

一方で、運良く自分の才能を生かせる時代に生まれたからとも言える。そういう偶然性で得た収入は、逆の立場にいる人たちにうまく分配される仕組み(税金とその分配)があってもいい、とも考えられる。

じゃあ税率ってどういう仕組みが平等なのだろうか?そういう議論になる。

そんなに問いかけをこの本は繰り返ししてくる。ときに残酷な表現を使って。

なぜならそんなシーンが世界では至る所にあるから。

今の時代で考えさせられること

政府はどこまでをカバーすべきなのか?

政治とは何なのか?

2020年4月。こんなことを考えさせられる日々が続く。

こういう非常事態に備えてある程度準備をしていた人もいる。
そんなことは考えず、お金を使い切っていて苦しい人もいる。
もちろん日々の生活がギリギリでそもそも貯金がない人もいる。
これをチャンスと捉え新しいビジネスを興している人もいるかもしれない。

世界的な不況が訪れ収入が途絶え苦しい状況に陥ったとき、10万円を全国民に配ることは正しいのだろうか?一方で、それを勝手に回収する権利などあるのだろうか?

自分の仕事はなくなっていなくて、収入が途絶えていない人はもらうべきではないのだろうか?もらった上で適切に使うべきなのだろうか?

素早く、効果的に、本当に必要な人に必要な額を配る方法はあるのだろうか?

正解はあるのだろうか?

マスクの値段

例えば、パンデミックの流行でマスクが不足したとする。

普段は数枚数百円で売れるマスクが数千円でも売れるとする。

マスクメーカーは数千円で売るべきだろうか?

ものの値段は需要と供給で決まるところもあるから、経済的に見れば正しいのかもしれない。

でもNoという人も多いんじゃないかなと思う。あまりにも高すぎる値段で売るのはやはりよろしくない。

それはこの状況において、価格を上げるという行動そのものについて違和感を感じるからだと思う。

でも例えば、高くした分で得た利益を使ってメーカーが設備投資をして、マスク生産能力を増強したらどうだろうか。マスク不足を解消する一手になるかもしれない。新しい雇用も生まれるかもしれない。

それは多くの人々にマスクを届けるため、という正当な理由とみることもできるのではないか。その目的を聞いたら高くても買う人はいるんじゃないだろうか。

実際にそんなケースがあるかは知らないけど。

これは僕の哲学だが、物事には理由があって、「何でそうするのか?」を知らないと正しい評価はできないと思っている。

安易に表面的な情報だけで批判することは避けたい。

「なぜ」と考え、一度調べる、これが大事だと思う。

毎回これをやるのは難しい。でも意識したい。

おわりに。この本がお勧めの理由

少し脱線したが、この本がオススメな理由を書いてこの記事をおわりにしたい。

ちょっと難しい表現も出てくるけど、僕は20代のときでもこれを十分興味深く読めた。

道徳とか、正義とか、政治とか、難しいことばをより理解できたような気がした。

今の日本に足りないものは、こういったものなんじゃないかと思っている。

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Yo
エンジニア(Mechanical)。日々の生活や読書、仕事などから学んだことをまとめます。
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