一流アスリート・指導者から学ぶシリーズ。
今回読んだのは、為末大さんの、熟達論。
400mハードルの元選手で世界陸上選手権メダリスト、オリンピックにも出場した一流のアスリートが言語化した、熟達に対する洞察。
熟達という難しそうなテーマを題材とした本であるが、言葉の定義をしっかりした上で、説明の難しい感覚の部分をここまで丁寧に書き切れるのかと驚かされた。非常に稀有な本であると言えるのではないだろうか。集中と俯瞰の言語化の部分とかすごい。行き着いた先のことをここまで文章にできるのか。と。
本書では、「遊」「型」「観」「心」「空」の五段階に熟達の探求プロセスを分け、説明する。
非常にわかりやすい理論と流れで、スラスラと読み進めることができた。
走る、ということを人として突き詰めていくと、すごいところに辿り着くのだ、と考えさせられる。自分の役割、コーチの役割の解説もとても参考になった。コーチって大事だよなと。これは仕事も含め通じるところがあるなと。
そして、行き着いた先の「空」とは。
これまで禅の本だったり、登山家の本だったり、いろんな分野を学ぼうと思って読書してきたが、ここでもまた線が繋がる感覚というか。ああ、言ってること・本質は皆同じなのかもしれない、と思った。「今を生きる」ことを現実世界のレベルに言語化してくれた本を初めて読んだと思う、とてもありがたい。
僕はその領域にたどり着いたことがない。理屈でわかるのと、実践して本当にわかるのは違う、とは本書の著者も解説している通り。修行が必要だなと。
おわりに
為末さんは日常のイメージしやすい話題で例えるのが上手い。都度身近な話題を引っ張ってきて解説してくれるので読み手もイメージしやすい。
アスリートととしての経験をベースにしつつ、本質は語学習得など他分野にも通じる。本書は誰が読んでも、どの分野で活躍する人にも参考になるだろう。
「人はいつまでも学び、成長できる」。本書のサブタイトルは、最後まで読むとまた響いてくるものがあった。
おすすめの一冊です。

















