先日、こんな言葉に出会った。
「家は漏らぬほど、食事は飢えぬほどにて、足ることなり」
千利休は欲を少なくする人生を理想としたそうである。家は藁屋根、食事は一杯の汁と一つのおにぎりで十分だと。簡素の中に美しい人生があると。
まさにLess is more.な生き方。そしてその実現のために必要なのは心の持ちよう。お金でもない、ノウハウでもない。
日本には侘び寂びの文化が有る。資本主義は宗教の扱いではないもののこれが正解とばかりに世界中に広められ、人々は消費を促される。資本主義と異なる文化は、アンテナを広げていないといい言葉も心に引っかからない。
SDGsという言葉をよく聞くが、まず便利で豊かすぎる生活をやめようとしない限り抜本的な解決にはならないのではと思う。一方で企業は利益も上げないと行けないのでみんな商品やサービスを買うのはやめましょうとはいえない。戦争に負けてしまうから(と僕は理解している)、大量に電気を消費するAIの開発やデータセンターの建設もきっと止められない。
複雑な世の中なので、千利休に学びましょうと言ったところで、「この時代にも本当にそれが正しいの?」と問う人もいるだろう。あくまで、個人で。自らの、美しい生活のための心持ちとするのが良いと考える。
あらためて、千利休の言葉を刻みつつ、日々の生活を考えていきたいと思った。
あと、千利休に関する本も読んでみたい。
僕はまだまだモノたちに囲まれている。悟りの域は遠く届かない場所にある感覚。そこにたどり着く日は来るだろうか。道は長い。