標準単焦点レンズについて解説記事でよく見る表現がある。
「焦点距離50mm*レンズの画角は目で見たままの景色に近い」
*フルサイズで50mm(APS-Cなら約33mm)
これを読むと、僕はいつもあれ…となる。
見た景色を50mmで撮ろうとすると「狭い」と感じる。見た部分の一部を切り取るイメージに近い。
僕にとって見た景色をそのまま切り取るのに近いのは35mmの方。広く見ようとしてるときは28mm。
色々調べてみると、注視したとき、とか片目の視野が50mmに近いと言った記載を見かける。確かに。そうかもしれない。
もう一つみつけた。
人によって視野は違う。
これだ。と思った。
自分の見えてる(と感じる)範囲は広い方なのか?と、ふと思った。
だとすると。どれが標準レンズかって記事は何のためなんだろうか?という疑問。
視野に近いレンズが標準なら適切な標準レンズは人それぞれということになる。でも写真を撮る上で35mmと50mmでは違う。どういう写真を撮りたいかという観点での標準レンズはあると思う。だけど、それもどういう写真がいいか、になってしまって議論が尽きない。
議論するのって楽しいじゃん、てことなのかしら。
もしくはカメラを始める人はどれがいいかわからないから、選び方を伝える目的なのだろうか。
だとしたらもっとお題を明確にすべきで、
「最初の一本としてお勧めする単焦点レンズは何mm?」
とかどうだろう。
僕は50mmをすすめる。
狭すぎず、広すぎず。
被写体を切り取る感じ。何を撮りたいか?が問われる。
ちょっと狭いなと感じることが多くて、足で画角を整えにいく頻度も増え、よく考えるようになる。そのままでも余計なものが入りにくい。
35mmはとりあえず撮れる。写真はタイミングを逃さないことが大事で、後でトリミングしても良い、とどこかでライカの開発者の発言があったと記憶している。高画素化の意味はここにある、と。35mmは使い勝手がいい。ただ、無意識に撮ると余計なものが入りやすいと思う。
これらの理由から、最初に単焦点レンズを楽しむなら50mm(APS-C機なら33mm付近)をおすすめしたい。
レンズ自体も癖がないというか、歪曲とか広角レンズに比べれば出にくかったり、撮りやすいのかなとか。
あとボケ感が得られるレンズの方が楽しみが広がるので開放f値が小さいレンズがおすすめ。1.4とか2とか。
続いて。
「しばらく単焦点一本だけで過ごすとしたら何mmを選ぶ?」
はどうだろう。
僕なら35mmかな。幅広く撮れて、自分の見たままにも近いから。あと、僕の写真は、作品作りというよりも自分が見たものを記録して残す・伝えるという目的の方が強いのもある。
ここも人それぞれになっちゃうか。。
50mm/35mmの違いで例を一つ。以下の写真は六本木ヒルズのスカイデッキから撮影したもの。
1枚目は50mm。東京タワーにフォーカスしている感じがある。屋上から撮ってて、これ以上引いて撮ることはできない。
以下は35mmで撮ったもの。自分が見る街全体を撮る感じ。こういう景色が見れるんですよ!感を伝えたいなら35mmなのかなーって僕は思っている。
標準単焦点レンズまわりのテーマ。色んな意見がある話だと思うので、このブログでも考えてみました、という記事。
以上。考えるのは楽しかった。
結局50mmも35mmも両方買って揃えたくなっちゃうんですけど。。。