きっかけはIchiro photographyさんの記事。写真やカメラについて非常に興味深い内容が多く、ほぼ全ての記事を読ませていただいたと思う。
その中に次の投稿があった。
この記事では絵画について言及されている。
これだ、と思った。
僕は、写真は自分の撮りたいものを撮ればいい、と思っていた。自分の見たものを記録したいから。
ただ、その被写体の観察のしかた、捉え方そのもの、構図の組み方を、もし、より向上できるなら。
写真撮影スキルの一歩手前、目の前の光景を観察する力。捉える力。
自分の見たもの、と書いたが、自分の目の動かし方、視野、観察力で自分の見るもの、それそのものが変わるのではないか。
ここを伸ばしたらまた写真への取り組みが変わるのではないか。
絵を描くスキルももちろんそうなのだけど、何をどう描くか、という点が重要なように思えた。
そういえば読みたいと思って読んでない本があった。
『絵を見る技術 – 名画の構造を読み解く』著:秋田麻早子
こちらを購入。
おもしろくてあっという間に読了した。
本書の特徴
名画を例にとりながら、どのように絵を見たら良いのか、そのポイントは何か、絵画の歴史も含めて解説してくれている。
素人にも分かりやすく理解しやすい。
構図や色、主題の引き立て方など一つの絵にも多くのことが意識されてることを学べる。また、昔は今と違って色によっては高級な絵の具もあって、その辺りの歴史的背景など初めて知ることも多かった。絵の見方が変わる。
本書を読んだあと、美術館で絵を見る感覚が変わるに違いない。40歳くらいになってから読んだが、もっと早くこういう知識を知っておきたかった。
今覚えば学生時代に東洋や西洋の美術史という科目を受けたのだが、内容が全く記憶にない。これだから日本の大学生は…と当時の自分に思うところもあるが、今受けたらきっと面白いと思うに違いない。この本は、日常で目にすることが多い「絵」の見方を教えてくれる。日常に彩りを加えてくれる本だと思う。
この本がおすすめな人
絵画に興味がある人にはもちろんだが、個人的には誰にもおすすめしたいと思う一冊。
教養のところというか、知っておいて損はないことがたくさん書かれていると思う。
また、写真の構図のヒントになるものもたくさんあった。フォーカルポイント、リーディングライン、構造線、十字線と対角線、1/3の法則、etc.。黄金比も最後の方で紹介される。
写真を撮る人にもおすすめできるかも。
おわりに。そして。
本書には何回か写真も登場する。
絵の方は自分で描くものをコントロールできるが写真はその瞬間を記録するもの。でも絵も写真も構図という観点で見るなら同じ。
今後僕自身の写真は意識を変えられるだろうか。考えながら撮っていきたいと思う。