本田宗一郎氏の本をこれまでなぜか読んだことがなかったので、1冊選んでみた。
「やりたいことをやれ」本田宗一郎著
この本は、一つ一つの項目がコンパクトにまとまっており、ちょっとずつ読み進めるにはおすすめ。ちなみに一気に読んでもそれほどボリュームはない。
それでいて読むと著者の考え方とか、大事にしてきた部分がわかる。
車やバイクのモノづくりの話が軸にあれど、多岐にわたる言葉が使われ考え方が語られる。多く出てきた言葉や印象に残ったテーマは…
- 科学技術という言葉
- 知識に対する考え方
- 人間に対する考え方、人として大事なこと
- 商品に対する考え方
- 世界と日本との違い
- 教育への提言
- etc.
普遍的で、うんうん、とうなりながら読み終えた。
最前線で全力で生きた人の言葉はやはり力がある。信念がある。
どう生きるべきか、どう考えるべきか、何が重要なのか。
僕はまだ一冊しか読んでないけど、本田宗一郎さんという方の考え方のエッセンスみたいなものは学べると感じた。
印象に残った部分
デザインと機能に対する洞察。花の絵を描く。松の絵を描くということ。
ここが面白かった。
花でも植物でも、機能や本質を理解しなければ正確に正しく絵を描くことはできない。
いざ絵を描こうと思うと描けないことって多い。それはその対象を理解しきれていないということ。
僕は機械エンジニアなので、いわゆるタンクとかポンプとかを扱うわけなのだが、その構造を自分でかけるか?ということは重要である。部品の機能を理解しているとその部品は描きやすい。それぞれの部品には設計上必要である理由がある。不要ならない方がシンプルだし安価。「そこにそのような形である」意味がある。自分でフリーハンドなりパソコンで描こうとしてみて描けないならまだ知らないことがあるということ。
自分で絵を描くというのは本当に勉強になるし、理解してないことに気づくきっかけになる。
本田宗一郎さんは花や松の木の絵を描くというテーマでこれを説明していて、とてもしっくりきた。とともに、初心に戻れたというか、年齢を重ねても新しいものを理解する手法として活用できる。
本を読むと、そういう気づきがあるのが嬉しい。
この本がオススメの人
この本は、本田宗一郎さんのモノづくりに対する考え方や仕事や生き方に対する考え方を多岐にわたるテーマを通じて知ることができる。1ページに1-2つくらいずつ話が載っている感じで読みやすい。
一流の人、長く活躍した人が語る本質的なポイントは大変勉強になる。
さっと読んでそれらを感じ取りたい、という本としてすごくいいと感じる。
おすすできる本だと思います。