Professional Engineerというアメリカの資格取得にあたって、まず一次試験(FE試験)に合格する必要がある。
申し込み・受験してみての感想は以下の記事にまとめた。
今回の記事では、何を使ってどのように勉強したかをまとめます。なお、これらの記事は全てMechanical専門に関するものです。
使用したテキスト・問題集
以下の3つの参考書を使用。なお、僕はiPadを使って勉強するつもりだったので電子ファイルがAvailableなものを入手した。
FE Reference HandBook
Reference HandBookはMyNCEESのサイトから無料でダウンロードできる。
本番の試験中も電子のReference HandBookを参照可能なので、紙で買わずに電子を使って勉強しておいた方がいいと思う、個人的には。
FE reference handbookは公式集やデータ・グラフ集だと思うとよい。
多種多様な公式、各種マテリアルのデータ、グラフなどが載っている。重要なのは、それらをどのように使うか、という点である。それを知らなければReference HandBookがあっても試験問題は解けない。
「Reference Handbookを使ってどのように問題を解くのか」を解説してくれる参考書は別途買っておくべき。
参考書として買ったもの
iPadとApple Pencilで勉強するつもりだったので、電子で入手可能なテキストが欲しかった。
Googleで検索してたどり着いたウェブサイトがこちら。
ここで見つけたのがこの参考書:
Mechanical FE Practice Exam & Technical Study Guide by Justin Kauwale, P.E.
FE reference handbookは公式集のようなもの。公式集だけながめても、問題の解き方は理解するのは難しい。それを補うのが、このテキストだ。
お値段は40USD程度。
しっかり勉強した上で合格できなかったらリファンドもできるというほどの自信作。
実際に使用してみた感想は以下の通り:
- 700ページほどあるテキストで幅広く出題範囲をカバーしている
- どのようにFE試験を合格するか、という点からのアドバイスが豊富でとても参考になる
- Reference HandBookに記載の情報をどのように使って問題を解くか、の解説が豊富
- 各章おわりにある練習問題も充実していて、試験対策にもなる
気になったところ:
- 単位がほとんどUS unitだが、US単位に馴染めると思えばポジティブに捉えられる。
- 誤字脱字やミスなどが気になるがこの値段でこの物量なら安いと思う。
AmazonやウェブでFE試験対策の参考書を探すと数千円から1万円超えのものばかり。海外からの郵送だと送料もかさむ。
40USDという価格で、支払い後メールが届いて即時ダウンロードできる点で非常にありがたかった。僕はこれを試験2ヶ月ちょっと前に購入し、試験1週間前くらいまでに全て読み終えるようなペースで勉強した。
問題集
続いて問題集。
MyNCEESから公式に販売されている問題集を買うのが正当だと思う。
しかし高い。なんといっても郵送料が高い。海外から日本に郵送するので。
確かTotalで1万円くらいだったと記憶しているのだが、買うかどうか悩んでいるうちに試験1週間前になり、アメリカから郵送しても間に合わない状況に陥った。
そこでウェブで見つけたのがこちら。
PDFでダウンロードできるので、18USDをカードで支払えばすぐに入手できる。
あまり評判や口コミが見つけられなかったのだが、1つくらい問題集をやっておかないとやばいだろうということでトライすることに。
こちらも誤字やミスが散見されたものの、110問通しで練習するには十分だった。
計算機
使用できる計算機は限られているので、ポリシーを確認すること。
日本で手に入りにくい機種が多く、日本で受ける場合は日本のモデルの使用も認められるという話をどこかで読んだが、それが書いてあるNCEESのポリシーを見つけられなかったので、安全のため海外のモデル(NCEESに認められているもの)をAmazonで探して購入した。
計算機は受験を決めて参考書を買ったらすぐに購入したほうがいい。
配送に時間がかかる可能性もあるし、何よりも計算機の使用に慣れるべく早めに問題を解く際に使っていくべきだから。
ちなみに2019年11現在NCEESのCalculator policyには以下のように記載されている。
The following calculator models are the only ones acceptable for use during the 2018 and 2019 exams:
- Casio: All fx-115 and fx-991 models (Any Casio calculator must have “fx-115” or “fx-991” in its model name.)
- Hewlett Packard: The HP 33s and HP 35s models, but no others
- Texas Instruments: All TI-30X and TI-36X models (Any Texas Instruments calculator must have “TI-30X” or “TI-36X” in its model name.)
NCEES Website
僕が購入したのはTI-36X Pro。
これにした理由は安く購入できたから。
基本的な機能にどれも大きな差はないと考え、入手しやすいものを購入した。TI-36X Proは説明書を読みながら使い方を覚え、違和感無く使うことができた。
勉強方法の紹介
まず僕のプロフィールだが、大学を卒業して10年以上経過、仕事はエンジニアの仕事で技術的な知識や計算は日常で使用といったところ。
積分や行列の計算などは普段全く使わないのでほとんど忘れている状態。
最初は勉強のしかたは探り探りだった。遠回りしたが自分にとって最適だったかなと思うのは以下の通り。
1.Reference HandBookにざっと目を通す
Reference handbookに目を通す。なお、ここにあまり時間を使うべきではない。
これは公式集やデータ・グラフ集だと思って目を通す。
どんな式があるのか、どんなグラフがあるのか、どのくらい知らない知識がありそうか、なんとなく把握しておく。
2.参考書を使って詳細まで勉強
続いて参考書を読む。僕の場合は先程紹介したMechanical FE Practice Exam & Technical Study Guide by Justin Kauwale, P.E.を使用。
基礎を思い出しながら、英単語で数学や物理用語をどのように表現するのか学びながら一通り勉強する。これには1ヶ月くらいかかった。
問題を解くときは安易に回答を見ずに、Reference Handbookを参照しながら解くこと。これをしっかりと練習しておかないと本試験の際に戸惑うことになる。
3.問題集で実践練習と復習
最後に、110問の問題集を限られた時間で解く練習をする。もちろんReference HandBookと指定の計算機と筆記用具のみを使って。
できれば1日で休憩時間も本番同様25分でやってみるとよい。どのくらい体力を消耗するか、どのくらいのペースで問題を解いたらいいか、時間管理はどのように行うのが最適か、体と頭で理解することが重要。
ここで解けなかった問題について、間違えた理由を確認しながら復習しよう。
そもそも解き方が間違っていたなら理解を深める必要があるし、そのほかで僕がよくした間違いは単位の換算ミスだったり、問題の読み違えだったり。
結構ケアレスミスが多かったので、本番では確実に1つ1つ解くことを重視した。
合格してみて思うこと
後半時間がなさすぎて最後の10問くらいはパッと見て答えがすぐ計算できるもの2問くらいしか解けなかった。わからない問題も結構あって、50〜60%くらいの正解率だったんじゃないかという感覚。
ウェブで見ると、合格ラインは55%程度とか60%程度という情報もあるので(公式には公表されていないのであくまで推測の値)、ギリギリだったのかもしれない。ただ、何が言いたいかというと、難しいと感じても最後まであきらめずに解き切るべき、ということ。
4択で最後の一つに絞れなくても、2つのうちどちらか、というところまでわかれば正解する可能性を高められる。
110問一生懸命やりきれば合格する可能性は高まるので、頑張ろう。
情報の少ないFundamentals of Engineering Exam(FE試験)。受験後忘れないうちに自分がどう勉強したかを残しておくことにしました。
勉強のしかたは知識やスキルによるので人それぞれかと思いますが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
その後のPE試験に関する記事
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