オーバーツーリズムに関して最新情報がまとまった本、高城剛さんの『観光大国スペインに見る、オーバーツーリズムの現在と未来』を読了。
オーバーツーリズム先進国スペインのバルセロナ。観光地として成功するまでの歴史と経緯、直面する課題と対策の難しさが語られる。ビジネスと雇用、現地住民の生活。
日本もコロナ後観光客が戻り、京都や人気観光地の混雑具合はなかなかのもの。東京もホテル代が上がっているのを見るに、他人事ではない。先日東京に出張に来た方に伺ったところ、都心のホテル代が高くて少し遠くのホテルを予約した、といった話も聞いた。
オーバーツーリズムになったときの影響。結局現地の方々の生活がままならなくなり、観光客と住民と共存できなくなってしまう。それが最終的には街の魅力を下げかねず、本当にそれで良いのか、と。
オーバーツーリズムの要因分析も面白い。
LCCの台頭、スマートフォンの普及による旅行サポート。SNSと映え。
確かにGoogle map、スカイスキャナー、Booking.comと今でこそ便利に使っているが、一昔前はこんなサービスなかったんだよなと。
デジタルノマドビザの存在と背景。日本もデジタルノマドビザが2024/4頃に開始したことは知らなかった。
オーバーツーリズムと移民問題の共通点も興味深かった。どういう未来が懸念されるのか。問題の本質は何か、と結びついていく。
根本的な原因は何か、どこをどうしたら改善できるのか。
考察や、昨今のテクノロジーを駆使したアイデアはとても勉強になる。
これらの問題にうまく対応しているというスペインのベニドルムという場所に行きたくなった。いつか行きたい場所リストに加えておこう。バルセロナとともに。
この本を読むと、観光地を訪れる際の視点も変わるに違いない。
ボリュームは少なくあっという間に読めてしまうと思うので、興味がある方はぜひ、と思う一冊。