12月11日、東海道新幹線名古屋駅にて運転を取りやめた博多発東京行き「のぞみ34号」の台車に亀裂などが発見されるというトラブルが発生し、ニュースになっている。
走行中に異臭と床下からの異音を認めたため、名古屋駅で床下点検を実施し運休したとのことである。
本件は企業のプレスリリースにも載っているし、さまざまな憶測で記事がかかれていたりする。
現場の皆さんはあらゆる手法を用いて原因究明に奔走しているだろう。
安全に関わる部分で、新幹線の機能の維持に重要な部分であるから、なぁなぁでの解決は許されない。
原因がわからないと正しい対策は取れないもの。なぜダメージに至ったのか、突き止めないと解決への一歩がふみだせない。
いろいろなメディアが取材や場合によっては推測で原因を報道すると思うが、専門家じゃない人が何か言うのは違うと思う。これは僕の意見だけど。
物理的な原因については、現場、現物、設計を知っている人たちだけが事実を把握できる。その人達がレポートを提出するまでは待つしかないだろう。
外部の人が本気で原因を探るなら、現場の深いところまで入りこまないといけないけど、今ってそこまでできるのだろうか。。
一方、ハードだけでなくソフト的な話題もある。日常点検で気付ける問題だったのか、人的な要因があるのか、それらも現場にいる人達じゃないと本当のことは分からないだろう。
企業がなぁなぁで終わらせようとしていたらメディアが目を光らせないといけない。一方、当事者が真剣に事態に取り組んでいるならば、彼らのプロフェッショナルな仕事にまずまかせてみてはと思う。
本件が今後どのように展開されるのか、気になるかな。
新幹線という多くの人の命を握っている乗り物だけに、注目度が高くなるのは当然かなと。
名古屋よりも手前の駅で保守担当者が異音を聞いて「点検した方がよい」と進言していたという情報もあるようだ。
現場から上がってくる小さな情報に対しても(今回が小さなものだったかは現時点では不明だが)、安全を確認しないと絶対に運転再開しないんだ、という強い意思をどれだけ持てるか。
非常事態というのは当たり前だが普段発生しない。
何気ない日常業務のなかで、小さな発見から始まることもある。
そのときに適切なジャッジをタイムリーにできるかどうか、というのはとても重要。しかしこれができる人間かどうかを見定めるにも普段そういったことはめったに起きないから難しい。
現場にそういった肌感覚を持った優秀な人がいると、これはヤバい、何かおかしい、となり事故を未然に防ぐことに繋がる。
今回も何かおかしいと気づいた人がいて、ちゃんと点検しようとジャッジした人がいて、ココがおかしいと見つけた人がいて、これは運転停止だ、重大インシデントだと判断した人がいたわけで、これらの流れに至ったからこそかろうじて大きな事故には至る前に止められたという見方もあるかもしれない。
こらから詳細調査で判明する事実次第では、判断が遅い!という意見もでるかもしれないし。それが致し方ないものだったのか、Not acceptableなものだったのかは現時点では分からない。
安全はやはり現場の優秀な人達あってのものだと考えている。それをどう維持していくか、本当に難しい課題。「なんとかしろ」という人もいるかもしれないけど、おっしゃる通りでなんとかしないといけないのだけど、決して簡単じゃないと思う。
でも安全に関わる仕事をしている以上、各々が責任持って仕事をしなければならない。それが使命だから。
JRのみなさんの頑張りに期待したい。
今回の件をきっかけに、今後のより安全な運行システムの構築も期待しつつ。
安全第一。改めて学ばされるニュースだった。