『43歳頂点論』著者:角幡唯介、を読んだ。
角幡氏は探検家兼文筆家。新聞記者としての職にもついていたことがあるという。
本書では、加齢に伴う衰え・経験の増加、年齢と精神の内側について登山家の視点で語られる。
48歳時点で書かれた本書で述べられるのは、年齢的に43歳が人生の全盛期ではないかということ。そしてその理由。
自分の年齢に近いのもあり手に取ったが、個人的には、年齢に関する話より登山家としての生き方・考え方の方に刺さる内容が多かった。
今まで読んだことない世界観で、大変興味深く、あっという間に読み終わってしまった。
なぜ山に登るのか?なぜ前人未到のエリアに挑戦するのか。
何者かになるため。存在証明。
生を感じるための、すぐそばの死。
生きるとはいったい何か。
足下で切れ落ちる崖下で轟音をあげる激流、手足の指の感覚をもぎ取る寒気、吹き飛ばされそうな恐怖を覚える凍てつく嵐。これらは生きている存在としての自分を再認識するのに必要な装置であった。….当時の私が旅に求めていたのは生と死の境界線を彷徨うことだったので、….
釣りの本質とは。
「地球とつながる。ただそこにいる。」までに至る境地も語られる。
大地との調和。

ちょっと釣りを勉強してみたいなと思うようになった。ああ、また学びたいことが増える。
おわりに
20代の感覚、30代の感覚、40代の感覚。そして50歳への確信。
これらが角幡氏の言葉で語られる本書。
40代で読んだ僕にとって、しっくりくる内容も多く、とても勉強になった。これを20代で読んだらどう思うだろうか。刺さらない気もする。

コンクリートに固められた街で暮らし、わからないことがあればGoogleやAIで調べるのが普通の2025年。人は自分で頭を使わなくなり、五感や第六感を駆使する頻度はどんどん少なくなっていく。
生きるとは何なのか、考えさせられる一冊だった。

















