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原文原理主義的な仕事の仕方。

2025-04-19Engineer-Work

以前、自分で見たものしか信じない、という記事を書いた。

自分で見たモノしか信じない。に対する考え方(2019.11.18)

意外とGoogle検索から流入があり一定数読まれていて、記事は書いてみるものである。

今回はもう少し狭い範囲の話。

契約書、法律、所轄官庁の定めるルール、設計図書、議事録、etc.。

僕は時間があれば原文を読みにいく。時間がなくても原文をサラッとでも流し読みするようにしている。

英語の場合は英語で読む。日本語訳では原文のニュアンスが正しく訳されていない可能性があるから。

英語以外は無理。どうにもならないので諦める。

ChatGPTに質問すると、それらしい答えが返ってくる。

しかし、原文を読んでいると「それ違うよね」と思うこともあり、指摘するとChatGPTが「誤った情報でした」と返ってきたことは一度や二度ではない。

素直に間違いを認めることは好感できるが、まだまだ信用できない。

また、文脈だったり、実際のビジネスやプロジェクトや抱えている課題を頭に入れて読むと違う理解になったりすることもある。だから2025年現在、まだまだ自分で読む必要がある。

人の言うこと・記憶は曖昧で、なかなか100%正確に、と言うわけにいかない。人の意見だけでものごとを決めようとすると右往左往することがあり、逆に原文を読みに行ったらクリアに書いてあったりすることはある。

まとめ資料があれば大変助かる。あるアセットは最大限活用して理解に努めるのがベスト。しかし、新しい仕事をする際や、新しい法律・ルールができたときに困る。まとめ資料がまだないから。新しいルールを作る場合、そもそもちゃんと理解していないと仕事にならない。

契約書をもとに先方と協議・交渉する際も原文を読んでいないと話にならない。契約書の一言一句が大事になってくるし、除外条件だったり、あっちこっちに関係する文言があるので一箇所だけ読めば良いと言うわけでもない。社内や外部の専門家にお願いするとしても、ある程度の知識がないと専門家の言っていることを理解できないし、そのお願いにどのくらいの時間がかかってどのくらいのコストになるのか見通しもつかない。

数十ページもの英語の契約書や設計書を読むのは大変だが、だいたい型があるので、10年もそういう仕事をしていると、読むべきポイント、読み方がわかってきて、スピードも上がる。逆にずっと避けて読まないといつまで経ってもポイントが理解できない。実務を通じて実践を積みつつ、関連する書籍があれば読むことも効果的。先日読んだ本はとても勉強になった。

『英文EPC契約の実務』。海外で活躍を期待されるプラントエンジニアに必須の一冊。(2025.2.19)

当面原文を見にいく価値は残るだろう。AIの精度が上がっていき、いつか、負けちゃう日は来ると思うけど。

全てを読むことはできないので、チームをまとめる立場の人はチームの中の強いメンバーにお願いするとしても、原文を読んで理解しにいくスキルと引き出しは持っておいて損はないかなと思う。年齢が上がると立場も変わっていくので、若いうちに意識して取り組むといいのかなと思う次第。

職種によって考え方は違うかもしれないが、参考になれば。

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Yo
エンジニア(Mechanical)。日々の生活や読書、仕事などから学んだことをまとめます。
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