「スノーデン独白 消せない記録」を読んだ。
エドワード・スノーデン氏の幼少期から今に至るまで、彼の葛藤、考え、行動、周囲に起きたこと、について彼の視点で書かれている。
久々に読書で衝撃を受けた。
まるで映画の脚本を読むような体験。
「大量監視社会」とは。
アメリカとは。
わかっているようで全然わかっていないことはたくさんある。知らないこともたくさんある。
スノーデン氏から見たそれらについての考え・考察はとても勉強になるものだった。
大量監視の仕組みと何をしているのかを知ってしまったとき。どう考え、どう行動するのか。
非常に興味深い一冊だった。
分断する世界
ウェブの世界が一般的になってから、世界は近づいた。しかしプライバシーというものがなくなりつつあった。
この本を読むと、個人情報と、それにまつわるウェブの流れについて理解が深まると思う。
httpからhttpsへの流れはこれだったのか。
GDPRの流れもこれだったのか。
僕はなんとなくここ数年の流れを理解できたような気がした。
世界は分断の流れにある。
そういうことか。
本書から学んだこと
彼の選択は正しかったのかどうか、ここは色々あるだろう。
政府と大量監視システム。
国家機密が違憲だとしたら。それが防衛に影響を及ぼすとしたら。それでも人権に関わるものだとしたら。。。
公表すべきなのかどうか。どのように伝えるか。
彼の苦悩や葛藤がすごく伝わってきた。命の危険、家族への影響を考えて、それでも実行に移した。
この本を読んで僕が強く感じたのは、「技術と倫理」だ。
倫理なき技術は危険。例えば。むやみやたらに核兵器を使ったら我々人類が消し飛ぶ可能性がある。
今の技術を持ってすれば、多くのことができてしまう。
しかしそれは人として正しいのか?
「できる」のと「実行する」のはまた別の問題。
哲学や倫理がこれほど大切になる時代はないかもしれない。
そんなことを考えさせられた一冊。
人生に影響を与えた本リストを作るなら、この本はランキング上位に入るかなと思う。
技術系の方は読むと色々考えさせられるのではないだろうか。
本書を買うにあたって
僕は何も考えずに、「アメリカの企業であるAmazonから」「記録の残るクレジットカードで」「電子書籍を」購入してしまった。
僕の行動は完全にオンラインに記録として残る。消せない記録。
気になる人は、「紙の本を」「現金で」買うと良い。
理由は本書を読めばわかる。